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2019.11.12

株式市場の経験則「冬に買って5月に売れ」は正しいか

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高騰するアメリカ市場

また、アメリカ市場はこのところ、歴史的に見て高騰している。それはつまり、今後数年はリターンが下がる可能性があるということだ。

たとえば、米市場は現在、株価収益率(PER)23倍で取引されているが、過去の値を平均すると15倍だ。従って、株価が平均水準まで低下すれば、35%下落することになる。

一夜にしてそこまで下がることはないかもしれないし、まったく下がらないかもしれない。しかしこのことは、季節性パターンがたとえ効果的であったとしても、不安材料になり得る米市場のバリュエーションで帳消しになるリスクがあることを示している。市場が急落すれば、季節性のパターンに乗って得た4%の利益が、単に帳消しされるだけでは済まないかもしれない。

海外に目を向ける

米株式市場のバリュエーションは上昇しているが、世界の株式市場のバリュエーションはそれと比べてノーマルなようだ。たとえば、ヨーロッパ諸国と日本は現在、15倍ほどの株価収益率で取引されている。したがって、こうした市場の長期的利益率のほうが有望かもしれない。それに、冬のほうが株式市場にとって好ましいというトレンドについても、それらの国々の多くのほうが、歴史的な傾向性が明確なようだ。

ということで、歴史が示唆するところによると、市場は平均的に見れば、2020年5月頃まで続く好調期に入ろうとしている可能性がある。しかし、現在の過剰とも言える米市場のバリュエーションを考えると、アメリカの投資家はポートフォリオに国際株を混ぜておくのが賢明だ。期待ができそうなこの時期に乗じて株を追加で保有しようと検討中なら、目を向けるべきは海外市場かもしれない。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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