ビジネスとしてのヴィーガニズム

shutterstock

先日、全米では初の法案が、カリフォルニア州で可決され、施行されることになった。2023年以降、服やハンドバックなどの製品に関して、新しい革製品の販売を禁止するという法案だ。

この法案は、2019年10月11日にカリフォルニア州知事によってサインされ、施行が決定されたとのこと。すでに禁止されている法案として、野生動物のサーカスなどエンターテインメントでの使用禁止や、希少動物の輸出入禁止があるが、それらに続く、画期的な動きだと思う。

ヴィーガンという言葉は1944年から

さて、「ヴィーガン」という言葉を聞いて、人々が思いつくものは、基本的には食品がほとんどだろう。だが、私は口に入れるもの以上に、むしろ日用品(例えば、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、洗濯洗剤、Dish Soap、化粧品など)にこそ、よりヴィーガンを意識する傾向にある。

これは日本にいる時から意識していたもので、ヴィーガン向けの日用品をわざわざアメリカのオンラインストアから購入していたほどだ。ようやくここ数年で、日本のオーガニック系のショップやオンラインサイトでも手軽に購入できるようになってきたけれど、当時(いまから5年ほど前)は、まだそこまでの需要は日本ではなかった。

3年前、ロサンゼルス(LA)に移住してきてから、さらに意識するようになったのが、「クルエルティフリー(Cruelty-Free)」だ。これは、化粧品や薬品において、商品開発の段階で動物実験をしていない、動物を傷つけて開発された製品ではないことを意味する表示のこと。

以前はホールフーズやトレーダー・ジョーズなど、健康志向の店で購入するか、多くはオンラインサイトで購入することがほとんどであったが、ここ数年で全米でもヴィーガニズムがかなり浸透してきたこともあり、全米にチェーン展開している大手日用品店や、ローカルの化粧品専門店でも、クルエルティフリーの商品が購入可能になってきた。

このクルエルティフリーの表示は、製品によってはあえて「No Animal Testing」と書かれているものもある。私自身、動物愛護運動に率先して参加していたり、日々そういう意識があったりというわけではないけれど、自分の生活圏内で目にする機会が多くなり、なんとなく意識がそちらのほうへ向いていったというのが本音だ。

アメリカで No Animal Testingという言葉が主流になってきたのは、1996年ごろからだという(Leaping Bunny.Orgのサイトより)。ちなみに、ヴィーガンという言葉は、1944年にイギリスでヴィーガン協会の共同設立者であるドナルド・ワトソンによって生み出されたもので、アメリカでは1970年代に動物性脂肪や動物性タンパク質を中心としたアメリカ式の食生活は健康に悪いという主張とともに、少しずつその考えは広まってきた。

No Animal Testingという言葉を意識するようになって、さらに理解が深まったのは、ある記事を読んでからだ。動物実験に使用される小動物たちは、ネズミ、ウサギ、モルモットなどが主で、詳細はあえて記載しないが、体のあちこちに障害をかかえて、短い生涯を終える動物が多いというものだった。

動物実験によって、新しい薬品や化粧品を人間が使用する際の安全性が上がるのは事実である。しかし、動物の体を使ってまで開発されなければいけない商品をつくることが、そもそも必要なことなのか……、そこに疑問を持ち始めた企業や個人が動き始め、アメリカではこのような流れが強くなったのだろうと思う。

文=Mei Kato

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい