これを受けてピンタレストの株価は11月7日までに23%急落し、創業者でCEOのベン・シルバーマンの保有資産3億ドル(約327億円)が消し飛んだ。現在37歳のシルバーマンの保有資産をフォーブスは12億ドルと試算している。2012年に同社を去ったポール・シャラも2億5000万ドルの資産を喪失し、ビリオネアの地位を失い、保有資産は8億5000万ドルになった。
ピンタレストの売上は前年比47%増だったが、アナリスト予想をわずか1%下回った。月間アクティブユーザー数は28%増の3億2200万人だったが、伸びの大半は1人あたり売上の低い海外のユーザーで、米国ユーザーの伸び率は8%にとどまった。
さらに、コストは前年から2倍近く上昇し、4億1300億ドルに達した。ピンタレストの四半期あたりの最終赤字は1億2470ドルに達し、前年の6倍近くに膨らんだ。株価下落の背景には、ウィーワークやウーバーらの厳しい状況が続き、投資家が赤字状態のテック系スタートアップに警戒心を抱いていることもあげられる。
今年4月に上場を果たしたピンタレストの株価は現在もなお、IPO時点の19ドルを上回っているが、8月の最高値36.83ドルから約46%の下落となっている。
それでも一部のアナリストは強気の見通しを崩さない。ドイツ銀行は同社の広告関連のテクノロジーに期待しており、「買い」指標をつけている。「長期的視点から当社はピンタレストの成長性を確信している。今回の決算発表後の下落をさらなる買い時とみなしている」
ただし、ドイツ銀行はピンタレストのIPOの幹事証券会社を務めていた。
ピンタレストは2010年に元グーグル社員のシルバーマンやシャラ、さらにエヴァン・シャープらによって設立された。シルバーマンが最初にフォーブスのビリオネアリストに登場したのは、ピンタレストの企業価値が110億ドルとされた2016年のことだった。