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ゲームプレイヤーの地位向上を

「ゲムトレ」を始めた背景には、もうひとつの小幡の思いがある。それは、ゲームプレイヤーの地位向上だ。例えば、あるゲームには世界に1億5000万人のプレイヤーがいて、トップの賞金は3億円だという。その中でもプロゲーマーと呼ばれるのは、ほんの一握りの人たちだ。一方で、囲碁人口は約200万人、タイトルの賞金も数千万円にとどまる。だが、囲碁や将棋の世界では、プロやアマチュア関係なく教室を開き、後進の育成を図っている。

「プロでない人たちも活躍できる土俵」が、ゲーム界にはまだない。小幡は、プロゲーマーの価値が高まってきているトレンドがあるいまだからこそ、プロではなくても食べていける世界を描いてみたいというのだ。

ツイッターの公募と面接を経て「ゲムトレ」のトレーナーとなった15人はプロゲーマーではない。現に引きこもりを経験した高校生や一般の大学生も含まれる。そんなである彼らに、ゲームトレーナーを「職業」としてマネタイズして、提供したいのだ。

小幡はこう語る。「引きこもりだと思っていた娘・息子が、母のパート代よりも稼いでいるというちょっとしたサプライズを作れたらよくないですか。本業としてはすぐには難しくても、まずは副業として働ける機会を届けたいです。将来的にはトレーナーの仕事だけで食べていける人を増やしたいです」。

今後は、生徒である子どもたちとトレーナーが集まる大会なども開き、ゲームを通じた交流を広げたいと考えている。

身の回りの小さな気づきからビジネスを形作っていく小幡が、このサービスを通じて子どもたちに伝えたいのは、「勝ち負けだけではない世界」だ。常に輝いて見える人だけではなく、意外な人が勝ち上がっていくまでにどのようなプロセスを経るのかという点に価値を見出しているのだろう。

文=猪俣由香、督あかり

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