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グローブ・トロッターのトラベルケース

Forbes JAPAN本誌で連載中の『紳士淑女の嗜み』。ファッションディレクターの森岡弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る。今回は11月号(9月25日発売)より、「グローブ・トロッター」のトラベルケースをピックアップ。


小暮昌弘(以下、小暮):日本への観光客が増えて、トラベルケースを持った外国の方を街中で見ることも普通の景色になりました。今回はトラベルケースですね。

森岡 弘(以下、森岡):ご存じだと思いますが、これは英国のラグジュアリーブランド、グローブ・トロッターのトラベルケースです。

小暮:1897年に創業された歴史あるブランドですね。当時、最先端だった軽量かつ堅牢な“ヴァルカン・ファイバー”を採用し、ハンドメイドでトラベルケースを製作するブランドとして、日本でも人気です。

森岡:もちろん英国王室にも愛されていて、ウィンストン・チャーチルが愛用したことでも知られています。

小暮:私が初めて英国に行ったのが、1986年。そのときに、一緒に行ったカメラマンがロンドンのショップで購入しました。

森岡:その鞄、私もよく覚えています。カメラのフィルムを入れるケースとして使われていたのではないでしょうか。

小暮:そうです。ちょうどアナログのレコードが入るくらいの大きさでした。あとで知ったのですが、ハット用のケースだったようです。いまは生産されていないようですが……。撮影では足場代わりに乗ったことも。けっこう酷使しましたが、その人はずいぶん長い間、使っていました。

森岡:それだけ堅牢ということですね。

小暮:グローブ・トロッターはトランクの上に象を乗せる「エレファント・テスト」を1世紀以上前にやっていますから。我々が乗ってもまったくビクともしませんでした。

森岡:それって、昔日本のテレビで流れていた「象が踏んでもこわれない」という日本の筆箱の広告に似ていますね(笑)。今回はさらに堅牢さが増して、本体に新素材のカーボン・ファイバー、「エアロ・カーボン」が使われ、高強度に加え、高弾力性を備えました。

小暮:男心をそそるカーボン・ファイバーですね。人工衛星や航空機、F1などにも使われている最先端のマテリアル。でもそうとう高価になったのではないですか。

森岡:いや、意外と安い。このキャビンケースで、28万円台です。東レ・カーボンマジック社の技術協力で実現した革新的素材で、低コストでカーボン・シェルを製作できる独自のレシピを開発したそうです。

小暮:それは買う側としてはうれしいですね。

photograph by Masahiro Okamura | text by Masahiro Kogure | fashion direction by Hiroshi Morioka | illustration by Bernd Schifferdecker | edit by Akio Takashiro

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