楽観的な人は心臓が強い? 関連性示す研究結果

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こうした関連性を示す研究結果は、過去にも発表されている。そして、その背景には、行動と身体的要因に関わるメカニズムの両方があると考えられている。

行動に関連したメカニズムの点からいえば、より楽観的な人は運動や適切な食事など、健康的な行動を取る可能性が高いと考えられる。また、ストレス軽減のための対策や治療を受けることといったセルフケアを取り入れている可能性も高い。これらはいずれも、心臓の健康に役立つと考えられているものだ。

また、生理学的なメカニズムについては、過去の研究から次のようなことが示されているという。

あまり楽観的ではない人と非常に悲観的な人は、炎症の促進、血管機能の低下、高血圧、代謝機能の低下、さらにはテロメアの短縮が起きている可能性がある(テロメアは染色体の末端にある構造物で、加齢やストレスを受けることによって短くなることがわかっている)。

一方、たとえ楽観性と心臓の健康に関連性があることが示されたとしても、ただ単純に、人に「もっと楽観的になりなさい」ということはできない。こうした特性は、遺伝学的要因と環境要因がどちらも関係していると考えられており、私たちの中に深く根差したものであるからだ。

研究チームによれば、楽観的になれというよりも効果的な方法になり得ると考えられるのは、認知行動療法(CBT)などすでに効果が実証済みの方法を通じて、悲観的なものの見方を弱めることだという。心臓リハビリにおいてこうした方法を取り入れることは、特に有効なものとなるかもしれない。

チームはまた、「目標設定、問題解決、対処」といった一般的に学習可能なスキルが、楽観性に関連していることも指摘している。さらに、目的意識や感謝の気持ちなど、その他の前向きな考え方が心臓の健康に与える影響について研究することも有用であるとの見方を示している。

編集=木内涼子

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