ハーバードでの突然の再会と「What's next?」


教授らは今年1月、医学界のトップ・ジャーナルである『The New England Journal of Medicine』にビタミンDとガンの研究成果を発表していた。健康な2万5千人を対象にビタミンDサプリメントを摂取する群とプラセボ(偽サプリ)の群にランダムに振り分け、6年近く観察した。その結果、ビタミンDを摂取してもガンの発症は予防できなかったが、その長期摂取においてはガンで亡くなる4人に1人を救うことができていたのだ。しかし、教授を含む著者らは「次の研究で証明する必要がある」とあくまで謙虚だ。

あの日、教授と話したことで、ビタミンDを使った次の臨床研究のアイデアが私の頭には浮かんでいた。思い返せば私たちがビタミンDとガンに関する研究を開始したのは今から10年以上前のことだ。その時には予想もしなかった道が今の私の目の前に広がっている。


浦島充佳(うらしま・みつよし)◎慈恵医大卒、ハーバード公衆衛生大学院卒。小児科専門医として週5日外来診療する傍ら、慈恵医大教授として薬を使わない病気悪化の予防法を開発中。

イラストレーション=ichiraku / 岡村亮太

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ハーバード・メディカル・ノート「新しい健康のモノサシ」

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