この資金は、ニューキー・コーンウォール国際空港に建設中のスペースポートから同社の空中発射式ロケットのランチャーワン(LauncherOne)を打ち上げるプロジェクトに用いられる。ランチャーワンはボーイング747を改造した飛行機「コズミック・ガール(Cosmic Girl)」の翼下に吊り下げられて上空に運ばれた後、空中でエンジンを起動し軌道に乗る。
「コーンウォールのスペースポートで最先端の打ち上げ施設を完成させることが楽しみだ」と、ヴァージン・オービットのCEOのDan Hartは声明で述べた。
この出資金は、コーンウォール評議会と地域産業パートナーシップによる2600万ドルの出資計画の一環だ。スペースポートは将来的に欧州の打ち上げハブとなることが期待されている。
宇宙旅行を手がける「ヴァージン・ギャラクティック」の兄弟企業であるヴァージン・オービットは、カリフォルニア州のモハベ空港でコズミック・ガールやランチャーワンのテストを行っている。2019年7月にはエドワーズ空軍基地でロケットを航空機から分離するテストに成功した。
同社は火星や深宇宙へのミッションも計画中だが、ランチャーワンは最大重量500キロのペイロードを軌道に送り込むための宇宙船で、上空1万700メートルで航空機から分離される。
ヴァージン・オービットは最終的にはモハベとコーンウォールの両方から1回あたり1200万ドルで打ち上げサービスを提供する方針だ。同社のシステムは24時間で打ち上げ準備が整うことが売りで、イギリス空軍も興味を示している。
「英国が小型人工衛星分野で欧州をリードすることを願っている」と、イギリスの科学大臣クリス・スキッドモアは声明で述べた。
イギリスではコーンウォールのスペースポートのほか、複数の打ち上げ拠点が建設中だ。他にもスコットランドのサザーランドでも垂直発射基地の建設が進んでおり、Orbexなどのスタートアップも2020年代初頭から、小型人工衛星を極軌道に乗せるプロジェクトを進めている。