ビジネス

2019.11.08

株取引アプリの米Robinhood、不具合で「無限の借り入れ」が可能に

Witthaya Prasongsin / EyeEm / by Getty Images

手数料ゼロの株取引アプリとして急成長した「ロビンフッド(Robinhood)」は600万人以上の利用者を抱えているが、システム上のエラーで、一部の顧客が無限の借り入れを行える状態に陥った。

掲示板サイトRedditのフォーラムでは、残高がわずかしか無いのに巨額の資金を借り入れたユーザーらが自慢を始めた。あるユーザーは残高が4000ドルにもかかわらず、100万ドルの借り入れに成功したという。別の利用者は5万ドルを借り入れて、アップル株を購入したと自慢した。

このニュースはブルームバーグでも報じられた。一部のユーザーらがアカウントを不正に操作して、通常の限度額以上の借り入れを行っている模様だ。ロビンフッド側はこの問題に気づいており、問題のユーザーらに個別に連絡をとっているという。

2013年に設立のロビンフッドは、以前から様々な問題に直面してきた。同社は昨年、当座預金と普通預金の両方に3%の金利を提供すると発表したが、当局の指導を受けてこれを撤回し、現在の金利は1.8%となっている。しかし、ロビンフッドは競合の株式取引サービス「イートレード(E*Trade)」以上の顧客を獲得し、企業価値は76億ドル(約8270億円)に達している。

今年7月に3億2300万ドルを調達したロビンフッドは先日、米通貨監督庁(OCC)に銀行の設立許可の申請を行った。

フィンテック分野ではロビンフッド以外にも最近、技術的な課題に直面した企業がある。10月中旬に、チャレンジャーバンクの「Chime」は24時間以上の間、支払いや引き出しが出来なくなるトラブルに見舞われた。同社はこの問題の原因は、外部の決済処理企業のシステムにあったと述べていた。

500万人の顧客を抱えるChimeは、今年9月にも同様な問題を起こしていた。

編集=上田裕資

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