ビジネス

2019.11.07 20:00

経営に集中する源は、オフに過ごす「家族」と「自然」

アコージャパン代表取締役 エリック・ディグネジオ

アコージャパン代表取締役 エリック・ディグネジオ

世界110カ国以上、約4900軒のホテルを展開する、欧州最大のホテルチェーン「アコー」。日本支社長を務めるエリック・ディグネジオに、オフの有意義な過ごし方を聞いた。


1967年、フランス北部の都市リールに最初のノボテルホテルをオープンさせたアコーは、現在、ラッフルズ、ソフィテル、メルキュール、イビスなどラグジュアリーからエコノミーまで39のブランドを展開し、お客様のニーズやトレンドに合わせたサービスを世界中で提供しつづけています。日本では東京、京都、大阪、札幌、那覇などで16ホテルを運営。私の入社は2010年で、営業本部長を経て、支社長に就任しましたが、実はそれ以前からずっと日本で働いており、日本と外資のビジネスの融和を得意としています。

そんな私の人生の転機と言えば、やはり大学時代の交換留学に尽きるでしょう。五大湖に囲まれるミシガン州と琵琶湖のある滋賀県は1968年から姉妹県州として提携しており、私は国際交流研修生として滋賀県を訪れました。当時は日本語が一切話せませんでしたが、日本の文化を学び、人々の勤勉さや優しさに触れ、必ず戻ってきて日本で働こうと決めたのです。……もちろん琵琶湖を走る観光船「ミシガンボート」のアルバイトで知り合った女性の存在も非常に大きかったのですが(笑)。その後、2年の交際を経て、東京の神田和泉町という下町でふたり暮らしを始め、結婚。息子ふたりにも恵まれた次第です。

初めて働いたのは、主にウェディング事業を展開する「プラン ドゥ シー」の海外事業部です。最初の1年は京都、福岡、東京に数カ月ずつ在住して、会社の所有するホテルやレストランのウェイターやバーテンダーなどをしながら事業内容を身をもって学びました。翌年渡米し、アメリカ支社を立ち上げ、NYに2つのレストランをオープン。これらの経験と会社の「日本のおもてなしを世界中の人々へ」という方針は、現在の仕事に非常に役立っています。

趣味はバイクです。生まれ育ったノースカロライナ州では、私有地であればOKということで、12歳のころから祖父の牧場で乗り回していました。バイクの魅力は、ひとりで運転するので、考えごとをしたりリラックスしたりが自由にできること。あとは都内からでも渋滞に巻き込まれずあっという間に箱根や奥多摩の自然にたどり着けること。海外在住の友人と年に1回、2泊3日のツーリングもしています。私自身は日本に15年ほど住んでいますが、普段は行けないところにと、昨年は北海道、今年は大阪〜四国を回りました。おそろいのTシャツを着た外国人4人がハーレーで乗り付けるので、最初こそ驚かれますが、わりと歓迎されますよ。おいしい日本料理を食べて、温泉にゆったりと浸かって……最高の休暇になります。

もうひとつの大きな愉しみが、家族とのキャンプ。ほぼ毎週末、奥多摩、埼玉、千葉、御宿、三浦海岸などに出かけています。長男が8歳になったので、ふたりだけで行くことも。自然に囲まれてリラックスできるし、息子と川で遊んだり火起こしをしたりしながら深いリレーションシップがつくれるのが何よりもいいですね。自然と家族から英気を養えるオフの時間があるからこそ、平日をビジネスや経営に集中して過ごせるのだと私は思います。
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構成=堀 香織 写真=yOU(河崎夕子)

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