新CEOとの初顔合わせ 好印象を残すためにすべきこと

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米国では先日、1週間の間に上場企業3社の最高経営責任者(CEO)がまるで椅子取りゲームのごとく入れ替わった。サービスナウ(ServiceNow)のジョン・ドナホーCEOはナイキに移り、SAPのビル・マクダーモットCEOはサービスナウへ。そして、アンダーアーマーのCEOは、創業者のケビン・プランクからパトリック・フリスク最高執行責任者(COO)へと交代した。

リーダーが新たな職務に就くと、落ち着くまでに多くのミーティングが開かれる。こうしたミーティングの多くでは、新リーダーが会社の上級役員や管理職、従業員と互いについて知り合うことになる。新CEOは管理職の人々についてはあまり知らないかもしれないが、管理職側は相手についての事前知識を持つことが有用だ。そのCEOがこれまでに書いたものを片っ端から読み込もう。

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOはかつて、経営学専攻の学生らとの会話の中で、自分と採用面接をする機会を得た人や、自分にアイデアを提案したい人に対するアドバイスを伝授した。ダイモンは、一部の人は「私が書いた30~40ページの年次書簡を読もうともせずに」オフィスにやってくると苦言を呈し、経営者に会う前にその人が書いた書簡や書籍を読むことは「基本的なことだ」と語った。

私はビジネス会議で講演する際にはしばしばこのダイモンの言葉を思い出し、事前準備の一環として、CEOが執筆した書籍があればそれを必ず読んでいる。CEOが書いた本がなければ、その企業や業界に関連した本を探す。また、その本の内容に触れることも多い。

しかし私は最近、聴衆に対し、自分が会うことになった経営者の本を読んだことがある人は挙手するよう言ったところ、100人につき2人ほどの手しか上がらなかったことに驚いてしまった。

つまり、CEOの本を読むだけで、抜きん出た存在になれるのだ。

例えば、サービスナウで現在勤務している人が、来年1月に新CEOのビル・マクダーモットとの初めての会議のため、彼のオフィスに向かうとしよう。その人がマクダーモットの著書を読んだことがなければ、3つのチャンスを逃している。1つ目は、新たな上司の思考を理解するチャンス。2つ目は事前準備の成果を見せて上司を感心させるチャンス。3つ目は素晴らしいビジネス書から新しいことを学ぶチャンスだ。
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編集=遠藤宗生

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