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2019.11.08

スタートアップからスケールアップへ、VCが注目するイスラエルの現状

Getty Images


いまイスラエルは日本企業の間でブームとなりつつあります。今年に入ってからは、週に1、2回のペースで新しい日本企業の方とイスラエル関係で打ち合わせをしています。2012年にたった2億円だった日本からイスラエルへの投資額は、2017年には約1300億円に達しています。

もちろん文化や言語の違いはありますが、イスラエルのスタートアップは、その市場の規模もあり、国内だけではなく、海外の投資家にまで守備範囲を広げている場合が多い。CB InsightsのGlobal Tech Hubs Report 2018によれば、2012年から2017年に行われた投資について、海外投資家による投資の割合が、シリコンバレーにおいては24%にとどまるのに、イスラエルのテルアビブでは71%にも及んでいます。

これは、日本企業が海外投資家として、イスラエルのスタートアップに投資するチャンスが拡がっていることを意味しています。

また、イスラエル企業の中には、アジアへの事業展開を視野に入れて、積極的に日本企業からの投資や日本企業との業務提携の機会を求めているところも多く、この点でも日本企業がイスラエルのエコシステムに入るのを容易にしています。

さらに、イスラエルは、美しいビーチリゾート地でもあるテルアビブや聖地エルサレム、死海や南部の砂漠など、魅力的な場所が多数あり、料理やワインも美味しいので、観光としても面白い国。テルアビブの南国のような雰囲気も手伝い、決裁権者がイスラエルを訪れた際に一気にプロジェクトが前進したという話もよく聞きます。

もちろん、イスラエルのスタートアップとのコラボレーションについて、その具体的な目的を持つことは重要ですが、まだ未訪問の人には、まずは観光含め、その雰囲気を感じることが大きなきっかけになるかもしれません。(TMI総合法律事務所 田中真人氏)

連載:イノベーション・エコシステムの内側
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文=森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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