ビジネス

2019.11.05

職能を突き詰め、やり続ける中でしか幸せは得られない|面白法人カヤック 柳澤大輔

株式会社カヤックCEO 柳澤大輔


「天職」をどう見極めるのか

──社長日記で「天職の見つけ方」を書かれていました。柳澤さんにとって、まだ道半ばかとは思いますが、起業家は天職でしたでしょうか?

先日「鎌倉資本主義」という考えを発信させていただきましたが、上場企業経営者であり社会起業家とも言えるこの職能を、突き詰めてやり続けていこうと考えています。

ブログにも書いていますが、自分の選ぶ道が「天職」かどうか。それは、「その仕事をしていて、気づきが多いかどうか」が鍵になります。


以下、公式HPより引用

「いまの仕事は天職である。」

そう言い切れる人は、どのぐらいいるのでしょうか。

その割合は見当もつきませんが、その仕事をとおして、それなりのことを成し遂げている人というのは、おそらく天職についている人なのではないかと思います。であれば、できるだけ早く自分の天職というものを見つけた方がよいのではないかと思います。

そして、さらにこれは個人的な信念ですが、おそらく誰であっても、その人にとっての天職がある。そう僕は信じています。そこで、今回は、僕が独自に発見した「天職の見つけ方」を、お伝えしたいと思います。

では、いきなり結論を申し上げます。

「その人にとっての天職とは、その仕事を通して、その人に多くの気づきを与えてくれるものである」

(後略)


私も起業家という職能の中でたくさんの気づきを経て、「これに賭けよう」と覚悟が定まったように思います。

様々な方法で「面白法人」として新たな価値を発信し続ける

──最後に、このメディアの読者の方や、起業を目指す人たちへのメッセージをお聞かせください。

難しいですね……。今まで語ってきたところに全てが詰め込まれているので、改めて話すことは特にありません。

ただ、ひとつ言うなら、ベンチャーの果たすべき役割は「新しい価値を生み出す」ことです。

生み出す価値の中には、今までにない事業を通じて最速で規模を拡大し困っていた人達を助ける、といった価値ももちろんありますが、我々のように組織や会社の新しいあり方や働き方を発信するという価値もあって良いわけです。

例えば、私が「鎌倉資本主義」と呼んでいる活動や、弊社が本社を鎌倉に置き続けていることも、新しい組織のあり方を発信する活動の一環です。

新しい価値の生み出し方にもいろんなルートを見つけ出すのがベンチャーらしさではないでしょうか。


(鎌倉オフィス内の様子)

──鎌倉を拠点にすることに葛藤はあったりしなかったのでしょうか。

あまりないですね。人材採用のしやすさや、オフィスを確保しやすいといった理由で都内に移ってしまうのは確かに合理的だとは思います。でも、鎌倉に限らずどこの地方も同じような困難を抱えていて、我々はそういった困難を含めて変えていきたいと思っています。

鎌倉オフィスの取組も含め、今後も様々な新しい価値を発信し続ける存在であり続けたいですね。

──本当に「面白法人」の目指す姿はブレないんですね。

我々は2014年12月に上場しましたが、上場前と後でも経営に関してはほとんど意識は変わっていません。上場する過程でルールに適応していくので、そこで色々やり方を変えた部分はもちろんありますが、「上場してカヤックがつまらなくなった」という感覚がある人はあまりいないんじゃないでしょうか。

ルールや時代が変わっても、また違うやり方で「面白法人」として新しいこと、面白いことを発信し続けていく。これが我々の存在価値だと思います。

文=小縣拓馬 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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