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Deputy editor for Industry; eyes on the skies

EHangがオーストラリアの航空機部品企業FACCと共同で製作中の機体プロトタイプ(Frank Gaertner / Shutterstock.com)

世界初の空飛ぶタクシーサービスを開発中の中国企業「EHang」は10月31日、米ナスダック市場にIPO申請を行った。同社は1億ドルのADR(米国預託証券)を発行する。

EHangは今年1月、中国政府から史上初のエアタクシーサービスの始動に向けた認可を受けていた。同社は本拠を構える広州市で、EHang 216と呼ばれる二人乗りの自律飛行式ドローンを用いた旅客サービスを開始しようとしている。

一般的には旅客ドローンを開発中の企業として知られるEHangは、数百台の小型ドローンを用いる光のショーや、監視システムの販売でも売上を上げている。同社の共同創業者のDerrick Xiongによると、光のショーで必要となるドローンネットワークの構築で得た知見が、今後始動する旅客サービスでも役立つという。

同社の顧客には、観光客向けの旅客ドローンに関心を持つ中国企業や、従業員や物資の輸送を計画中のノルウェー企業もいるという。もう一つの有望な市場が、臓器移植手術に用いる臓器の、スピーディーな輸送だ。

米国のバイオテック企業「ユナイテッド・セラピューティクス(United Therapeutics)」は2016年に、最大で1000機のEHangの一人乗り旅客ドローン「EHang 184」を発注すると述べていた。

EHangの上場申請書類によると、ユナイテッド・セラピューティクスと同社の関連企業Lung Biotechnologyは1700万ドル(約18億円)をEHangに出資し、290万株の優先株を入手する。EHangは既に38機の旅客ドローンを顧客に納入済みで、28機が納入待ちという。

2019年の上半期にEHangは550万ドルの損失を計上しており、損失額は前年同期から42%上昇した。売上は470万ドルで、前年同期比で15.6%マイナスだった。同社は累計5200万ドルをGGV CapitalやZhenFundから調達している。

創業者のXiongは米国のデューク大学でMBAを取得後に中国に戻り、2014年にEHangを設立した。共同創業者でCEOのHuazhi Huはソフトウェアエンジニアで、2008年の北京五輪の緊急派遣システムの開発を手がけた経歴を持つ。

オーストラリアの航空機部品企業FACCと共同で製作中のEHang 216の航続距離は約16キロで、最大速度は約160キロとされている。EHangは216と184のテスト飛行を累計2000回以上、成功させた。

EHangは2018年6月から、テンセントが出資する食品スーパー「永輝超市(YONGHUI)」の広州の店舗で、ドローンを用いた宅配のテストを進めており、既に3万件の配送を完了したという。また、物流大手のDHLシノトランスの倉庫間の輸送も行っている。

EHangの上場の幹事は、モルガン・スタンレーやクレディ・スイス、ニーダムアンドカンパニー、Tiger Brokersらが務める。

編集=上田裕資

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