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2019.11.05

シャッターストックCEOらが語る「スタートアップとIPOの関係」

シャッターストックのジョン・オリンガーCEO(Getty Images)

スタートアップのビジネスを数十億ドル規模に成長させる上で、IPOを行うことは今では必須ではなくなった。

ストックフォト企業の「シャッターストック」のジョン・オリンガーCEOと、ウェブ作成ツールとホスティングサービスを提供する「スクエアスペース」のアンソニー・カサリナCEOらは先日、フォーブスの「30アンダー30」サミットで、IPOに関して議論した。

彼らは2人とも、3万ドルほどの資金で会社を創業した過去を持つ。

「その会社に実力があれば、上場の機会は向こうからやってくる。ただし、とても骨の折れる作業が待っているけどね」とオリンガーは述べた。「2012年当時は、IPOを行えば社員の士気も高まるし、企業顧客を獲得する上でも有利だと考えていた」

しかし、7年が経過した今、オリンガーは複雑な思いを抱えているという。

「上場するっていうのは、そんなに面白いことでもない。時間を巻き戻せたらと考えたこともあった。でも、なるようにしかならないんだから、やるなら早めにやっといたほうがいいのかもしれない」

ニューヨーク証券取引所に上場するシャッターストックの株価は、10月28日に38ドルを超え、時価総額は13億ドル(約1400億円)に達している。同社の株価は2012年のIPOから72%の上昇となっている。しかし、現在の株価は2014年のピーク時の半分だ。

一方で、スクエアスペースは非上場で運営を続けつつ、企業価値は10億ドルを突破した。同社はフォーブスの「クラウド100」に選出されたが、創業者のカサリナはIPOにさほど関心を示さない。

「売上は今年、5億ドルを超える勢いで従業員数は1000人を上回る。既に黒字化を果たしており、上場しようと思えば出来るだろう」と彼は話した。「ただし、当社はIPOで資金調達を行う必要がない。それにふさわしいタイミングがやってくれば検討はするが、今のところ急いではいない」とカサリナは続けた。

マーケティングに必要なコストに関し2人のCEOはどちらも、ソーシャルメディアや、個人のパワーを用いるプロモーションを行っていると語った。
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編集=上田裕資

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