アップル、iPhoneのリースを検討? サービス事業への転換加速

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アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は最近の投資家向け収支報告で、同社がiPhoneをサブスクリプションサービスとして提供することを検討していると示唆した。

実現すれば、一般消費者向け製品からサービスへの転換において重要な一歩となると同時に、同社は安定した収入源を確保できる。また、これにより家電市場でのハードウエアと消費者との関係性が変化する可能性もある。

新サービスの構想は、シンプルで理にかなっている。iPhoneを実質的なリース方式で提供し、月々の支払いと引き換えに手持ちの端末を新モデルと交換できるものだ。こうしたサービスは、企業向けには既に行われてきており、企業はパソコンをレンタルし、定期的により高性能な機種へとアップグレードしている。

これが消費者向けに導入されれば、均一性が増加するとともに、素材のリサイクルや再利用が促進されることでアップルは環境への取り組みをさらに推進できるだろう。

消費者としては、自分のスマホを常にアップデートし、最新モデルも入手できる最高の方法であることは間違いがない。アップルがこのようなアプローチを採用すれば、顧客の忠誠度はさらに高まるだろう。これに、プライバシー保護に対する同社のコミットメントという付加価値を加えれば、多くの人に訴求できる可能性がある。

アップルは既に、支払いを初めてから1年後に旧モデルを新モデルと交換できる2年間の分割払いプランを米国で提供している。同社は自社をサービスプロバイダーとして位置付ける方向へと着々と進んできており、今やアプリや保険、ストレージ、有料サービス、音楽、さらにはゲームや映画、テレビ番組といった市場にも手を広げている。

同社の最新の業績報告を見ると、これまでに引き続き、主力製品であるiPhoneの売り上げがやや落ち込む一方で、サービス部門の売上高は顕著に増加している。

私たちが今、車や音楽、映画、別荘、ヨットなどを所有する時代ではなく、レンタルやサプスクリプションで利用する時代に移行する途上にあることは明らかだ。こうしたモデルはより効率的であるように思えるし、有効利用もリサイクルもされずに家に眠っている古い携帯電話やパソコンがなくなることも期待できる。
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編集=遠藤宗生

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