ビジネス

2019.11.05 07:30

「機能価値」から「ブランド価値」へ。元メルカリ本間達也が、ラブグラフに入ったワケ

(左)マーケティングマネージャーとしてラブグラフの経営陣に参画した本間達也 (右)ラブグラフ代表取締役の駒下純兵


「目黒さんと宮村にジョインしていただいたおかげで、フォトグラファーの教育制度が整い、研修の仕組みが固まってきた。今まではやる気ある人は1カ月で研修が終わるが、忙しい人は6カ月も研修に時間がかかってしまうなど人それぞれだったのですが、今は1カ月で仕上がる形になり、その結果フォトグラファーの供給体制が整備できたほか、顧客のLTV(ライフタイムバリュー)もあがり、単価、粗利、リピート率も改善することができました」(駒下)
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こうしたフォトグラファーの供給体制について、本間は過去の経験を持ち出しながら、「事業を展開していく上での大きな強み」と語る。

「過去にCtoCのスキルシェアサービスをやっていたときに、大きな課題だったのが供給サイドです。登録している人の多くは他のプラットフォームにも登録していて、ひとつのプラットフォームに留まらない。その結果、『DMM Okan』など、需要に対して供給が追いつかずサービスをクローズしてしまう事例がいくつもあります。
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その点、ラブグラフはブランド、組織に対して人が集まってくる。これはすごく大きいですね。カメラマン側の供給がしっかりしていれば、ブランドの構築にもつながっていき、ブランドがあれば単価も上げていける。そして結果的にカメラマンに還元できる金額が増えていく。そんな循環も作れたら、面白そうだな、と個人的に思っています」(本間)

「ラブグラフ」のブランドをより多くの人へ

創業から4年。ブランドづくりにこだわり抜いてきたラブグラフ。今後は4年間で構築してきたブランドを、より多くの人に届けていくフェーズに移っていくという。「そうした展開をしていく上で、メルカリでグロースマネージャーを務めた本間の経験は大きい」と駒下は語る。一方の本間もこう語る。



「メルカリとは戦い方が違います。メルカリは機能的な価値を追求し、それを顧客に届けていくことを重視しました。特にプロダクト開発においては『バーコード出品』や『画像検索』など便利な機能を作りましたが、ラブグラフが追い求めるべきはそこではない。もちろん、CRMなど固める部分はきちんと固めますが、今後はブランドに根付く形で顧客のモチベーションが上がる取り組むをしていかないといけない。

例えば、いまラブグラフはSNSやグーグルの広告で新規顧客を獲得しているのですが、それでは伝えきれないクリエイティブの幅がある。今後はラブグラフの体験会など、オフラインの部分にも投資していき、オフラインから顧客との接点を持つ。そういったことにも注力して取り組んでいけたらいいですね」

文=新國翔大 写真=ラブグラフ提供

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