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2019.11.05

「ユーチューバーではない」発言の真意──小嶋陽菜がVLOGに見出した可能性とは?

小嶋陽菜(写真=小田駿一)

「令和になったので新しいことを!と思い、私はずっとやってみたかった"VLOG"をはじめてみようとおもいます」

2019年5月。“こじはる”こと元AKB48の小嶋陽菜は自身のツイッターで、こんな宣言をした。VLOGとは何か、多くの人が知らなかった頃に、だ。

この投稿の後、メディアから「こじはるがユーチューバーデビューか?」と報じられたが、すぐさま反応。「YouTuberデビュー? って言われるとまたちょっと感覚違うんだけど、、これはまだおじさんには伝わらないと思うから、また今度話すねーっ」と投稿した。

本人曰く、プラットフォームにユーチューブを使ってることからユーチューバーで間違いはないが、日本におけるユーチューブのイメージは“企画”が中心にある。芸能人のユーチューブ参入という既存のイメージで語られることは、自身がやりたいことと異なるため、このような投稿をしたという。

そんな思いから、今年の5月にスタートさせた小嶋のVLOG「HARUNA KOJIMA’s cat nap」はユーチューブ上で動画が公開されており、立ち上げから半年でチャンネル登録者数は17万人を記録。先日、元AKB48の篠田麻里子の結婚式に参加した際の様子を記録した動画を公開すると、4日で200万再生を突破した──。



中国では2018年9月頃から、中国最大の検索エンジン百度で「VLOG」の4文字が入力される回数が急増。いま、中国国内では一大トレンドどなっている。2019年には中国最大の検索エンジン百度でのワード検索数が昨年から10倍に増えている。

日本では小嶋がVLOG開始を宣言するまで、ほとんどの人がその存在を知らなかった。しかし、5月以降のグーグルトレンドで右肩上がりで検索数が増えている。

AKB48を卒業後、D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)ブランド「Her lip to」を立ち上げるなど、時代の最先端をキャッチし続ける小嶋はなぜVLOGを始めたのか、そしてVLOGとはそもそも何なのか。VLOGの火付け役である、小嶋本人の考えに迫った。

コーチェラ・フェスティバルで知った「VLOG」の存在

──小嶋さんは今年の5月にVLOGを始めました。以降、定期的にユーチューブ上に“私の日常を切り取った”動画を定期的にアップされていますが、まだ世間的にはVLOGのことを知らない人が多くいると思います。そもそもVLOGとは何なのでしょうか?

VLOGは「ビデオ+ブログ」の造語。明確な型はありませんが、日常を紹介する動画ブログのように説明されることが多いと思います。

動画をアップするプラットフォームとして、ユーチューブを選んだことで「こじはるがユーチューブデビュー」と報じられたりもしましたが、決して「Vlogger=ユーチューバー」ではありません。

例えば、VLOGが先行している中国ではWeibo(中国版ツイッターと呼ばれるSNS)でアップするのがスタンダードです。私がユーチューバーをプラットフォームに選んだ理由は2つ。多くの人が日常的に利用しているユーチューブ上であれば動画が人の目に止まりやすいこと、また情報が蓄積して過去ログにアクセスしやすいことからです。
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文=井澤梓 編集=新國翔大 写真=小田駿一

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