ビジネス

2019.11.03

世界200店閉鎖で再生図る「フォーエバー21」が歩むいばらの道

Getty Images

破産宣告を行った「フォーエバー21」は、200店舗を閉鎖しコスト削減を行うことで事業を再建しようとしている。

フォーエバー21は9月に連邦破産法11条に基づく会社更生手続きを申請したが、200店舗を閉鎖することで、再編を進め事業を維持したい意向だ。

CNNによると、同社はアジアや欧州、カナダなどの市場のほぼ全てから撤退するが、米国やメキシコ、ラテンアメリカでは業務を続行するという。小売業界では今年、店舗の閉鎖が相次いでおり、2019年上半期の閉鎖件数は既に2018年のトータルを上回っている。

フォーエバー21の店舗の多くはショッピングモール内にあるが、過去20年で数百に及ぶモールが閉鎖している。世界で800店舗を構える同社は、そのうち549店舗を米国に置いており、1年間に支払う店舗の賃貸コストは4億5000万ドル(約490億円)に達している。

同社の創業者夫妻のドン・チャンとジン・スク・チャンらが韓国を離れアメリカにやってきたのは1981年のことだった。その後、2人は1984年にフォーエバー21を設立し、2015年には年間売上40億ドルで、4万3000人を雇用する企業に成長させた。

しかし、ファストファッション業界は近年、厳しい状況に置かれている。ウェットシール(Wet Seal)やべべ(Bebe)、デリア(Delia)といった大手も破産や店舗の閉鎖を行っている。この分野ではASOSやLulusなどのオンライン販売を行う企業が売上を伸ばしている。

アリアナ・グランデは9月、フォーエバー21が彼女のそっくりさんを広告に起用したとして、1000万ドルの支払いを求める訴訟を起こしていた。グランデは同社が彼女の写真や歌詞を、無断でインスタグラムのプロモーションで使用したとも述べていた。

編集=上田裕資

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