フォーエバー21は9月に連邦破産法11条に基づく会社更生手続きを申請したが、200店舗を閉鎖することで、再編を進め事業を維持したい意向だ。
CNNによると、同社はアジアや欧州、カナダなどの市場のほぼ全てから撤退するが、米国やメキシコ、ラテンアメリカでは業務を続行するという。小売業界では今年、店舗の閉鎖が相次いでおり、2019年上半期の閉鎖件数は既に2018年のトータルを上回っている。
フォーエバー21の店舗の多くはショッピングモール内にあるが、過去20年で数百に及ぶモールが閉鎖している。世界で800店舗を構える同社は、そのうち549店舗を米国に置いており、1年間に支払う店舗の賃貸コストは4億5000万ドル(約490億円)に達している。
同社の創業者夫妻のドン・チャンとジン・スク・チャンらが韓国を離れアメリカにやってきたのは1981年のことだった。その後、2人は1984年にフォーエバー21を設立し、2015年には年間売上40億ドルで、4万3000人を雇用する企業に成長させた。
しかし、ファストファッション業界は近年、厳しい状況に置かれている。ウェットシール(Wet Seal)やべべ(Bebe)、デリア(Delia)といった大手も破産や店舗の閉鎖を行っている。この分野ではASOSやLulusなどのオンライン販売を行う企業が売上を伸ばしている。
アリアナ・グランデは9月、フォーエバー21が彼女のそっくりさんを広告に起用したとして、1000万ドルの支払いを求める訴訟を起こしていた。グランデは同社が彼女の写真や歌詞を、無断でインスタグラムのプロモーションで使用したとも述べていた。