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2012年12月に誕生した第二次安倍政権は、もうすぐ7年目を終えようとしている。19年7月の参議院選挙でも勝利し、衆議院を解散しなければ、21年の自民党総裁選、衆議院の任期満了選挙まで、選挙はない。あと2年、政策に集中できるはずだ。

総理の任期の最長記録を見てみよう。複数回の総理在任の日数を合計する「通算在任期間」で見ると、1位は桂太郎。安倍晋三は現在2位であるが、19年11月20日で通算2887日となり、桂太郎を抜いて、歴代単独1位になる。一方、連続在任期間で見ると、現在の1位は、佐藤栄作の2798日である。12年12月からの安倍政権の連続日数がこれを超えるのは来年8月24日(パラリンピック開会前日)である。

総理の在任記録の1位達成が視野に入ったいま、安倍総理は何をご自分の偉業として歴史に刻もうとしているのだろうか。もちろん、これまでのアベノミクスの成果は素晴らしいものがある。最長記録を達成した景気拡大、デフレの克服、女性就業率の上昇、TPP合意とトランプ大統領による米国離脱のあとのCPTPP(通称TPP11)をまとめたこと、日EU自由貿易協定、外国人労働の拡大のための在留資格緩和などである。アベノミクス関連では、2%のインフレ目標の達成、消費税率の10%への引き上げと財政再建への道筋をつけること、年金への不安を払拭すること、日米貿易交渉をまとめること、などが積み残しである。米中貿易戦争の余波も心配だ。

しかしながら、報道によると、安倍総理は、憲法改正を、当面の最重要政策に据えたようだ。少なくとも、衆議院に設置されている憲法審査会で憲法改正案の議論を開始すべきだとしている。

憲法改正論議の焦点は、憲法第9条第2項の中の次の表現である。「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」。ここから、自衛隊(の存在)は違憲である、という解釈をする法学者やマスコミの人がいる。かつての日本社会党左派が唱えていた非武装中立論を主張する人たちも、憲法9条を守る(護憲)ことを重視していた。これに対して、自民党政府(および多くの国民)は、第9条の解釈として、自衛権を縛るものではない、と考える。

文=伊藤隆敏

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