ビジネス

2019.11.02

2018~19年の優良ビジネス書7選

Iakov Filimonov / Shutterstock.com


『Blitzscaling』(リード・ホフマン)

アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、ピンタレスト、エアビーアンドビーなどの企業が大成功した要因は何だろう? ホフマンによれば、それは「ブリッツスケール」だ。ホフマンはリンクトインの共同創業者で、一流のベンチャーキャピタル(VC)投資家だ。ブリッツスケールとは、積極的に多額の資金調達を行い、効率の損失を度外視してスピードを重視する手法のこと。その目的は、迅速に市場を支配し、ライバルを周縁へと追いやることにある。ビル・ゲイツが前書きを寄せている事実からも、本書の価値がわかるだろう。

『Alpha Girls』(ジュリアン・ガスリー)

VC業界は1970年代から存在しているが、残念ながらVCの文化は当時からほとんど変わらず、白人と男性が大半を占めている。ガスリーは本著で、マグダレーナ・イェシル、メアリー・ジェーン・エルモア、テリーサ・ガウ、ソーニャ・ホエルというトップ女性ベンチャーキャピタリストに焦点を当て、VCの歴史を振り返っている(私は以前、本書のレビュー記事も執筆している)。

この4人は、セールスフォース・ドットコム、フェイスブック、トゥルーリア、F5ネットワークス、マカフィーといった急成長企業の立ち上げをサポートした。本書は、彼女らが直面したがんや離婚など個人的な苦労を紹介し、インスピレーションを与える内容であると同時に、フラストレーションを感じさせるものでもある。なぜなら、4人はこれほどまでの大きな成功を収めたにもかかわらず、現在でも業界の文化改革に苦闘しているからだ。

『Bad Blood』(ジョン・キャリルー)

キャリルーは、2015年に医療スタートアップ、セラノスの不正を暴いたウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者だ。この報道はセラノスの解散と、共同創業者エリザベス・ホームズの起訴につながった。キャリルーはセラノスを題材にした本書で、ベストセラー作家の仲間入りを果たした。本書はまるで、現代版ゲーム・オブ・スローンズのように読者を引き込む一冊となっている(ドラゴンは登場しないが)。さらに本書はハリウッドで映画化されることが決定し、ホームズ役にはジェニファー・ローレンスが起用されている。
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編集=遠藤宗生

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