同車の電動パワートレーンはジャガーのフォーミュラーEのマシンからヒントを受けたそうだ。3モーターを搭載する4WDのビジョンGTはなんと、1000psを発揮し、0-100km/hの加速は1.9秒。
「ジャガーの新しいデザインディレクター、ジュリアン・トンプソンのチームと一緒に仕事ができたのは素晴らしい経験でした。このクルマのデザインとパフォーマンスは、チームの能力、クラフトマンシップ、長年にわたるコラボレーションの成果です。来月末、ドライバーがこのクルマを運転できるのを楽しみにしています」と、山内氏は語った。同車は11月末からゲームでプレイできるようになる。
トークセッションの直後、ジャガー ビジョンGTが初登場の「ワールドツアー・エキシビション・プロアマレース」が開催され、トップレーサーと各国のジャーナリストがその性能を体感した。幸いに一流レーサーの菅原選手と組んで、僕も参戦できた。首都高という慣れない、実際存在しないサーキットを5周回るレースだった。
当然、1000psも発生しているので、加速性は凄まじいけど、それよりも難しかったのは、ブレーキングだった。時速350km/hでコーナーに迫るとき、ブレーキングを「いつ、どこまで強く踏んだらいいか」というテクニックをマスターするのが大変難しかった。でも、アンダーステアを抑えられる速度でコーナーが曲がれた時のハンドリングはピカイチだった。
予選5位からレースをスタートして、すぐに3位に浮上したが、高速コーナーで他のマシンに当てられ、結局は6位でフィニッシュ。菅原選手、ご迷惑をおかけした。でも、僕は、まだバーチャル世界にしかないこのビジョンGTに搭載している電動パワートレーンが、リアルワールドに登場されると思われるほどであることに感動した。これはとても大きな意味のある1台だった。
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