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Workdayの共同創業者兼CEOのアニール・ブースリ氏

企業が人を採用する際に重要な資格や学位、職歴の証明や確認プロセスが変わるかもしれない。人事クラウド大手のWorkdayが、ブロックチェーン技術を用いて資格や職歴などの発行、確認を行うプラットフォームを発表した。WorkdayはFortune 500企業の40%が使うなど大手を中心に高いシェアを持つだけに、その影響が注目される。

学位や職歴をブロックチェーンで管理・証明

Workdayが10月に発表した「Workday Credentials」は、個人の身元、学位、資格、職務履歴などの証明のためのブロックチェーン技術プラットフォーム。企業は同プラットフォームを利用して従業員の職務経験やスキルなどの証明を発行したり、応募者の情報について確認を行うことができる。個人は「WayTo」というモバイルアプリを利用して、発行された証明書の管理や共有ができる。



学校、資格や職務履歴はほとんどの場合で変化のないものだ。だが現在、採用する企業と応募する個人は主に紙でこれらの情報をやりとりしている。ブロックチェーンを用いることで証明の確認プロセスが合理化され、採用/応募プロセスでの面倒な作業が削減される。

「例えば病院なら、応募する看護士の看護資格、職歴などをすぐに確認でき、採用までの時間を短縮できる」と、Workdayの共同創業者兼CEOのアニール・ブースリ氏は述べる。Workdayがブロックチェーン技術を人事に活用できないかと検討を始めたのは2〜3年前、「究極のところ、HCMシステムは個人のアイデンティティシステム」とブースリ氏はいう。

Workday Credentialsの開発を統括してきたシニアバイスプレジデント、ジョン・ルッジェーロ氏は、「仕事は技術により変化しているのに、証明書は変化していない。証明書のデジタル化により、時間のかかる手作業を削減できる」と意気込む。

Workday CredentialsについてForrester Researchの主席アナリストでHCM分野を担当するマーク・ブランダウ氏は、「戦略的に正しい方向だ」と評価する。ブロックチェーンはコアの人事システムで、機械学習、スキル定義と並び重要な技術と位置づけている。一方で、ブロックチェーン技術の応用という点では「まだまだ早期段階」と述べた。

Workdayのルッジェーロ氏はブロックチェーン技術そのものには問題はないとしながらも、エコシステムは「今後の課題」と認める。米国で学位を発行する団体などに呼びかけを始めているとのことだ。

Workdayは資格などの証明書とアイデンティティ管理の仕様を定めるコンソーシアムDecentralized Identity Foundation(DIF)に参加しており、Workday Credentialsのブロックチェーン技術はオープンソースプロジェクトとして開発されている「HyperLedger Fabric」をベースとしている。

文・写真=末岡洋子

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