──フードバンクは大きな活動の1つではあると思いますが、それ以外でのアクティベーション活動というのは今後何か予定されていますか?
前田:直近では、10月6日にタイ・バンコクでサポーター対象の「Kop Run」というミニマラソンイベント(5km、10km)が開催され、9000人以上のランナーが参加。日本ハムは商品サンプルの提供などによってたくさんの熱狂的リバプールFCサポーターにブランド訴求が行われました。6月にはリバプールFCのレジェンドを活用した商品展示会を香港で行い、大盛況でした。
正直なところ、私達はアジア市場でのリバプールFCの熱狂度に実感がなかったのですが、香港でリバプールFCとボルシア・ドルトムントのレジェンドマッチが開催されたとき、本当に熱い雰囲気を感じました。商品展示会に来場したサポーター(取引先)の中には訪れたレジェンドの伝説を描いた品を持ってきて、レジェンドも興味深く覗き込んでいたぐらいです。この熱狂度からアジアでの活用の幅に期待が持てるのではないかと確信しました。
国によってB to B商品しか展開できていない地域もありますが、今後は海外それぞれのマーケットでの様々なブランド訴求活動の経験をもとに、国やマーケットによって何がいちばん効果的なのかを検討していきたいと思っています。「Food Education」に関しても、私たちが日本国内ですでに活動している出前授業や食育活動を海外で展開出来るように工夫していこうと考えています。
@リバプール
吉村:Kop RunやレジェンドマッチなどリバプールFCの公式イベントは、日本ハムさんの目的次第でいくらでも活用していただけます。認知度を高めるブランディング活動と同時に、お客様に商品を提供することも行うことが可能です。
どちらの設計も対応出来るようにして、毎回反応を確かめながらお互いに相談をして進めていこうとしています。弊社のパートナーシップマネージメントチームは、通常のコミュニケーションに加え、実際にイギリスから日本ハムさんを訪れて顔を見ながらの意見交換を経た上で、お互いの意見とサジェスチョンをもとに一緒に作り上げていきます。
レジェンドが同席する機会はB to Bの関係性構築のために使っていただくことが多く、Kop Runのような場は実際に消費者に商品を手に取ってもらう機会として活用いただけます今後は、トップ選手を起用してブランド訴求活動を広げていく取り組みも予定されています。まだパートナーシップは始まったばかりですが、これからリバプールFC、そのブランド価値を活用した活動が次々に行われていきます。
スポーツは言語や文化も乗り越え、繋がり合う
──今回のパートナーシップは日本ハムが企業としてもともとスポーツとの関わりを持っていたために、スポーツをビジネスとして活用する道筋や目的意識を会社内ですぐさま共有出来たと思いますが、FSGとしてはスポーツとの関わりを持ったことがない企業でも今後参入していく可能性はあるとお考えでしょうか?
吉村:確かに日本ハムさんはプロスポーツチームを保有し、多くのスポーツに関わりを持っておられるので、スポーツ事業に対する理解がもともと深かったところはあります。しかし、日本ハムさんが抱えている海外展開においての課題は多くの日系企業にも共通することだと思います。
私達は企業側が課題を抱えていても、そのビジネスモデルを理解していかなくては何の提案も出せません。そのため、日本ハムさんと海外における事業の話を直接できた事は、ご提案を考える上で大変助かりました。しかし、他の日系企業さんがスポーツ事業と深くかかわっていないからといって、海外でスポーツを活用出来ないということはありません。それぞれの企業が抱える将来像や課題などについて教えていただけると、こちらとしても非常に提案しやすいです。