ビジネス

2019.11.05 19:00

壊れながら大きくなる。世界のデジタルPR稲木ジョージの「個の美学」


ジョージの「ポジティブ」「クリエイティビティ」「バイタリティ」の源泉を探る質問

後半は、林からジョージへの「『ポジティブ』『クリエイティビティ』『バイタリティ』の源泉を探る質問」が次々と繰り出された。以下、その中から紹介する。

──ジョージさんが手掛けたこれまでで最高の仕事はなんですか。

「MILAMORE」ですね。とにかく「今やっていること」が最高。自分のことはiPhoneみたいに毎年アップデートしています。満足する、ということがないので。

──逆に、これまでで最大の失敗はなんですか。

時計が好きで、ある日、うっかりクライアントさんよりもいいものをつけて打ち合わせの場に臨んでしまったこと。PRは裏方なので、目立ってはいけないという暗黙のルールがあるのに……。でも、好きなものは好きなんですよね。

──日々の仕事や取引先、顧客とのコミュニケーションで気をつけていることや心掛けていることは何ですか。

メールの返信を、チャットみたいに早くすることですね。メールに3日くらいして返信してくる人は信じられないです。ニューヨーカーは仕事ができる人ほど、返信が早い。僕もそれを真似して、例えばワークアウトしている時も、走りながら返信しています。

──ご自身とほかのPRの方の違うところは、何だと思いますか。

グローバルでセレブやビジネスオーナー、いろんな人と会っていて、最先端の人たちの新鮮な「生の情報」を持っていることですね。

──原稿でもご紹介しましたが、「どんなに辛いことでもまずは3カ月辛抱する」の精神は、どこからきているのでしょう。

中1から部活でバレーボールをやっていたことですかね。やめたい、やめたいと思いながら、もう少し、と。結局バレーは10年続けました。あとは9歳で、日本語がまったくわからないまま日本の小学校に転校して、いじめを受けた時も。いくらなんでもすぐにはやめられない。とりあえず3カ月、と思っていたら卒業できた。それが原風景ですね(ここで、「壁を自分で作って、自分で超えていく力がすごい」、と林。「はい、エベレストも行けますよ!(笑)僕は生まれた瞬間からポジティブですから」)。


「金継ぎ」のジュエリー(「MILAMORE」)写真=MILAMORE

──「MILAMORE」のジュエリーのデザインやコンセプト、また世の中にないPRのアイデアを考えるにあたり、ジョージさんのインスピレーションの源は一体何ですか。

自分の人生のストーリーですね。例えば子供の時に好きだった花をキャンドルにしたり、デザインはすべて自分の原体験からきています。それに、すべてのコレクションをタトゥーにして入れているので、僕自身が「MILAMORE」です。

──ジョージさんの仕事に欠かせないアイテムとその理由、使い方を教えてください。

電話として使っているAirPodsが欠かせませんね。これはもう「神器」です。
次ページ > 渡辺直美との強いつながり

文=石井節子 写真=曽川拓哉

ForbesBrandVoice

人気記事