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2019.10.31 08:00

課題をチャンスに変えるアフリカのUNDER30|後編

ジョシュア・チブエゼ、ソムト・イフェズエ、オデュナヨ・エウェニィ

ジョシュア・チブエゼ、ソムト・イフェズエ、オデュナヨ・エウェニィ

リープフロッグの舞台として注目を集めるアフリカ。山積する課題をチャンスに変える若者たちがいる。Forbes Africaの今年の30 UNDER 30から厳選してご紹介する。(前編はこちら


チカ・マデュブコ(27) 
グレイメイト・ケア共同創業者、CEO(ナイジェリア)

介護の必要な高齢者や身体障害者を質の良いプロの介護者と24時間体制で結ぶデジタルプラットフォーム、グレイメイト・ケアを立ち上げたチカ・マデュブコ。きっかけは、彼女自身の祖母が糖尿病で寝たきりになったときに、家族で介護を担うことの困難に直面したことだ。「家族が全員忙しくて十分なケアをしてあげることができなかった上に、介護者を雇うために何マイルも離れた所まで面接に行っても未熟な介護者にしか出会えませんでした」。彼女はこの体験を元に2016年、4500ドルの資金を元手に起業。現在のサービスは介護者だけでなく家事代行や、医師・看護師とつなげることもできる。ケニアや南アフリカなど他のアフリカ地域への拡大も計画中だ。

アルファ・ヌリー(29)
ジャマー・ファンディング創業者、 CEO(セネガル)

シャネル、アップル、ロレアルなどのグローバル企業で働いていたアルファ・ヌリーはそのキャリアを捨て、約55万ドルの貯金を元に起業。2015年に人道的プロジェクトを目的としたクラウドファンディングサイトを運営するジャマー・ファンディングを設立した。農学校の設立やウミガメの保護、サッカーチームの創設など、多くのプロジェクトの資金集めに成功し、その輪はアフリカのみならず、アジア、アメリカにも広がっている。アルファは、雑誌Tropics Magazineの「ビジネス界で最も影響力のある人物2018」に、国連副事務総長アミナ・モハメドなどと並び選出されている。2020年までに50万人の人を助け、世界銀行やアフリカ連合とのコラボレーションを目指す。

ヘルマン・カンテ(27) 
建築家(カメルーン)

アメリカン・アーキテクチャー・アワードやワールド・アーキテクチャーフェスティバルなどで数々の国際的な賞を受賞してきた新進気鋭の建築家ヘルマン・カンテ。昨年エジプトで行われたアフリカフォーラム2018では、ルワンダやエジプトの大統領を前に、建築という観点から考えるアフリカの都市の未来について基調講演を行った。起業家でもある彼は、建築設計事務所ヘルマン・カンテ・アンド・アソシエイツを設立し、デザイン、景観、教育、リサーチ、開発関連のサービスを提供している。「私の建築への情熱の源には社会に役立つサービスを提供したいという気持ちがあり、サステイナブルなプロジェクトを実現させて人々にとって安全な環境を作り出し、より若い世代のロールモデルになっていきたい」と語る。
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文=カレン・ムウェンデラ 構成・翻訳=瀧口友里奈

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