2日間で収益で28億円 LA発の「リテールフェス」では一体何が起きているのか?

世界最大規模のストリートカルチャーの祭典「COMPLEXCON」

数量限定のスニーカーを求めて朝6時から多くの人が長蛇の列をつくり、一足数十万円のスニーカーが飛ぶように売れる。

今年の公式Webサイト上では、600ドルのVIPチケットが真っ先に売り切れた──。

世界最大規模のストリートカルチャーの祭典「COMPLEXCON(コンプレックスコン)」が、今年も11月2日と3日の2日間、カリフォルニアのロング・ビーチで開催される。

ファッション業界では、洋服やアクセサリーのレンタルサービスが広まり、多くの若者は物を消費しなくなったと言われる現代において、コンプレックスコンの一体何が人々を熱狂させるのだろうか。

ボードメンバーには、村上隆やファレル・ウィリアムス

コンプレックスコンが初めて開催されたのは、2016年。今年で4回目を迎える。

従来のファッション業界人向けに行われる展示会や見本市を、一般消費者に向けて展開するイベントで、昨年、会場には150を超えるファッションブランドがブースを構え、約40の飲食店が出展された。

昨年、もっとも注目を集めていたブランドのひとつ、「Atmos(アトモス)」のブースでは、同ブランドとナイキ、ティンバーランド、アシックスとのコラボスニーカーを目当てに多くの参加者が詰めかけ、11時にブースをオープンしてからわずか1時間半ほどで、用意されていたアイテムが全て売り切れた。

人気アイテムが瞬時に売り切れてしまうように、多くの参加者は、ここでしか購入することのできない限定品を手に入れることをメインの目的として来場するが、豪華な主催メンバーとライブパフォーマンスも、コンプレックスコンを語る上では欠かせない。

主催メンバーには、現代アーティストの村上隆、音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムス、ファッションデザイナーのヴァージル・アブローらが名を連ね、現在のストリートカルチャー、アート、ファッションシーンを牽引する人物が一堂に集う。

事前の発表がなくとも、サプライズゲストが登場することも恒例行事となっており、昨年も、村上隆やファレル・ウィリアムスが急きょ会場に現れることを、多くの来場者は公式アプリ上で直前に知ったという。
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文=Forbes JAPAN編集部

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