ウーバーの「出前用ドローン」が公開、約20キロを飛行可能

Matthew Horwood / by Getty Images

フードデリバリー分野の企業らの、次の主戦場は空になりそうだ。ウーバーの空飛ぶタクシー部門「Uber Elevate」主任のエリック・アリソンは10月28日、デトロイドで開催されたフォーブス「30アンダー30」の会場で、ウーバーイーツで用いる配送用ドローンを公開した。

ウーバーはこのドローンを、来年夏からサンディエゴで始動するフードデリバリーのテストで使用する計画だ。28日に公開された機体は6個のルーターを備え、最大で2人分の食事を運べる。バッテリーの持続時間も限定的で、往復可能な距離は最大で12マイル(約19キロ)とされ、飛行可能時間は18分程度とされている。

このドローンはレストランから特定のポイントまでを飛行し、地上で待機するドライバーが荷物を受って、顧客の家に運ぶことを想定している。ウーバーが6月にこの計画を発表した際には、ドローンが車の屋根に着陸するプランも明かされていた。

ウーバーはその当時、サンディエゴ州立大学近くのマクドナルドで、数回のデリバリーのテストを実施済みだった。ドローンを活用した配達は、かなり限定的な形で始動することになるが、この分野ではウーバー以外の企業もテクノロジーに磨きをかけている。

UPSは10月初旬にドローン配達の許可を受けて、病院や医療施設に特化した輸送ネットワークの構築テストを進めている。アマゾンもドローン配送の実験を進めており、6月時点で「数カ月以内にデリバリーを開始する」と述べていた。さらに、グーグルのProject Wingも、オーストラリアやフィンランド、バージニア州のクリスチャンズバーグでドローン配達の実験を重ねている。

米国の連邦航空局(FAA)はドローン配送のテストに許可を与え始めたが、実用化までには解決すべき課題も多い。悪天候への対応や、空中の障害物(鳥や電線、その他のドローン)にどう対処するかという問題もある。しかし、そのような困難を前にしながら、各社はこの分野への投資を拡大させている。

ウーバーのドローン配送は、同社のElevate部門で進められている。Elevateではヘリコプターから電動VTOL(垂直離着陸機)まで、様々な機体を用いた空のデリバリーのプロジェクトが進んでいる。

編集=上田裕資

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