同社が紙製ボトルを披露したのは、持続可能性目標の達成に向けたつながりを構築するためアディスアベバや香港、ベルリンなど世界の大都市で開催されるC40世界市長サミットだ。参加者らはサミットで、同社の紙製ボトル試作品に入ったビールを提供された。
ただ、消費者に提供する最終製品はまだ未完成だ。カールスバーグ・グループのグループ開発担当副社長を務めるミリアム・シングルトンから私が聞いたところによると、冷蔵庫に紙製ボトルのビールを買い置きするようになるまでにはあと1、2年ほどかかるかもしれない。
カールスバーグが紙製ボトルの開発において協働してきた2つの企業は現在、共同事業Paboco(ザ・ペーパー・ボトル・カンパニー/The Paper Bottle Company)を立ち上げている。この2社とは、カールスバーグが2015年から協働してきたスウェーデンのパッケージング企業ビルルドコーシュナス(Billerudkorsnäs)と、オーストリアのプラスチック包装材製造企業アルプラ(Alpla)だ。
カールスバーグは、Pabocoのいわゆる紙製ボトルコミュニティーに参加した最初の企業だ。これは、企業が持続可能なパッケージングの開発に関心を持っていることを示す指標の一つだとシングルトンは説明した。他にも、飲料大手のコカ・コーラや化粧品大手のロレアル、酒類大手のアブソルート・カンパニーがそれ以降、紙製ボトルコミュニティーに参加している。
シングルトンは筆者に対し「他の大企業がこのコミュニティーに参加し始めていることは、私たちがこれからより速く前進できることを示している。自分たちのリソースや専門性を合わせ、過去数年と比べてさらに高い速度で前に進む勢いを持てるからだ」と述べた。
カールスバーグと紙製ボトルの夢が直面する課題の一つは、紙製ボトルを使用した場合でも、同社のビールが「おそらく世界最高のビール」のままであるようにすることだ。シングルトンは筆者に「私たちは、消費者が最高のビールを体験できるようにしたいと考えている。そのため、重要なのは品質だ」と語った。シングルトンによると、ビールをどれほどの期間紙製ボトルに保管できるかについては現在まだ試験中で、1~2カ月を目標としている。