「コンディションを整える」のに役立つ3冊|クリエイターの本棚

『超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由』(文響社)


鍛えた体と精神を活かして、ビジネスのパフォーマンスを上げたいと思うなら、活動時間のクオリティを高めることが重要だ。そのために欠かせないのが、「睡眠」である。そして、数ある睡眠本の中でも、30年以上同テーマについて研究し、スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNラボ)の所長を務める西野精治氏の『スタンフォード式最高の睡眠』(サンマーク出版)は、一際説得力がある。



睡眠は「量」ではなく「質」で決まる。最初の90分が勝負の分かれ目である。体温と脳のスイッチを操れば、ぐっと深い90分が手に入る。このように、起きている時間帯をもっと有効に活用するためには、もっと早く知っておくべきだったと思う知識と根拠がみっちりと書き綴られている。

どんなに機能が優れた電気自動車をつくることができても、しっかり充電できなければクルマは走らない。人間も同じで、どんなに肉体と精神を鍛えても、睡眠の質が悪ければうまく充電されず、快適に走ることができないのである。

レジェンドがすすめる「正しい努力」

体と心を鍛えよう。睡眠の質を上げ、パフォーマンスを高めよう。そう言われても、20代がピークで、変わる気力もなければ体力もないと思われる方がいらっしゃるかもしれない。そんな方に推薦したいのが、葛西紀明著『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』(東洋経済新報社)だ。



葛西氏と言えば、言わずと知れた、2014年ソチ冬季オリンピックのスキージャンプ個人銀メダリストだ。40歳を超えてなお、一線級の記録をマークすることから国内外で尊敬を集め、「レジェンド」と称されている。そんな葛西氏が、姿勢、運動、食事、睡眠、呼吸の整え方など、年齢に応じた「正しい努力」のしかたを啓発する。

ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏が著書『LIFE SHIFT』(東洋経済新報社)で紹介した「人生100年時代」という言葉は一躍時代のキーワードとなった。

しかし、100年生きられる時代になったからと言って、人生最後の瞬間まで幸せでいられるとは限らない。20代が肉体の絶頂期だから、あとは衰えを受け入れるのみ。30代40代は仕事が忙しいから運動や睡眠を削って働くという姿勢を続けていれば、将来大きなツケが回ってくることになるだろう。

筋トレをはじめ、睡眠の質を改善し、現在も年齢に応じた生活習慣の改善に取り組んでいる私は、30代の自分よりも今の自分に自信を持ち、高い幸福感を得ることができているように思う。心身のコンディションを整え、仕事やプライベートのパフォーマンスを上げたい人に、ぜひおすすめしたい3冊だ。

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文=川下和彦

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