過熱するハロウィーン、子どもの安全を守るには?

Ariel Skelley / Getty Images


「実際に、ハロウィーンで子どもをめぐる事件が起きています。渋谷など、大人数が集まる場所に行くのは危険もあるかと思います。迷子、盗撮、連れ去りなどの事態は想定されます。

西東京で、公園にいた女の子が変なお菓子を食べさせられ、倒れたところを、『お兄さんが送っていってあげるよ』とおんぶされ、連れ去られかけました。幸い、一緒にいた友達がその女の子のお母さんを呼んできて間一髪でした」


清永さんは「地域の人とつながりを作るハロウィーンを」と呼びかける(清永さん提供)

地域の人と知り合う機会に

近年、地域ごとのハロウィーンイベントが増え、人気は続いているようです。昨年、ある商店街では、イベントのチケット発売日に行列ができて、1時間で完売しました。清永さんは、「地域の人と知り合う機会としてなら、ハロウィーンイベントも賛成です」といいます。

「地元の商店街などは『地域でも、お買い物してね』という気持ちを込めて主催することが多いので、普段のお買い物などを、できるだけ地元でもするといいなと思います。そうすることによって、実は、子どもの顔を商店街の人に覚えてもらって、1人でお使いなどの練習もさせられますし、いい点がいっぱいあります」

「実際、商店街のお店と仲良くなって、駆け込んだり、トイレを借りたり、良好な関係を築けるようになった子どもたちがいます。防犯情報なども、商店街の方から教えてもらえます。商店街の方は、地元を愛し、よく知っている方が多いので、仲良くなるとお得です。

お菓子がもらえるからといって、ハロウィーンイベントその日だけ行くのではなく、地域を知り、守ってもらうために、知り合うきっかけとしていただけるといいなと思います。

ふだんはあいさつするのも、ちょっと恥ずかしいよねという子どもも、ハロウィーンだったら壁を乗り越えられるかもしれません。これは、商店に限らず、住宅街でお菓子をもらいに回る場合も同じではないでしょうか」

参加しない、危険な場所避ける…親が判断を

ハロウィーンが浸透した一方で、気持ちが離れた子もいます。筆者の知る女の子たちは、小学校低学年までは仮装をして、習い事などでお菓子をもらうのを楽しみにしていました。ところが、成長すると「もう、仮装イベントはしなくていい」と言うようになりました。

このように、最近は「ハロウィーンを何度か体験して、どういうものかわかった。あえてやらなくても……」という人も増えたように思います。

逆に、子どもの行動範囲が広がる場合もあります。清永さんから子育て中の親に、こんなアドバイスがありました。

「友達との兼ね合いで、あまりに衣装が華美になったり、お菓子の用意にお金がかかるようになったり、面倒だなと思ったら、参加をやめ、無理な付き合いはしない決断も大切です。

特に、危ないと思ったら、親の判断で行かせない、という毅然さも必要かなと思います。小学高学年や中学生になると、渋谷や、ちょっと離れたところで行うハロウィーンイベントに行きたがりますので」

新しいお楽しみの域を超えて、広まったハロウィーンイベント。リスクを見つめて、対応していくことも必要です。

連載:元新聞記者のダイバーシティ・レポート
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文=なかのかおり

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