運動が苦手だった少年がプロダンサーへ、s**t kingzの個性と才能に注目せよ


同じく小学校からダンスを習っていたのがメンバーのなかで一番背が高く目立つNOPPOだ。ただ、はじめた理由は、通っていた算数の塾を辞めるためだった。NOPPOの家庭では習い事はひとつという決まりがあったため、妹が習っていたダンスに鞍替えしたのだ。結果的にはダンスにのめり込む。

「好きなことにのめり込む性格なので、小学生の頃は、友達と遊んだ記憶がないくらいにダンスの練習に没頭しました。そうした生活をしていたらダンスに飽きたと言うか、疲れてしまったんですよね」

生まれ持った高身長をいかし、高校時代はバスケットボール部に所属し、ダンスを一時的にやめた。しかし、高校3年生の時、子供の頃からのダンサー仲間がアメリカから帰国し、彼の地で吸収してきたダンスを見せられ衝撃を受けた。この時、NOPPOの心に火がつき、アメリカへ渡った。アメリカで踊りはじめると「こんなにも楽しいものだったのか」と考え方が変わった。


NOPPO

『ポンキッキーズ』を見ていた幼少期、 Oguriは同番組に出演していたFolderの三浦大知の姿を見て、勝手にライバル心を燃やしていた。ただ、どうやってダンスをはじめるのかわからずすぐには習うことはなかった。転機が訪れたのは高校生の時。部活に飽き、近所のスタジオでダンスを習い始めた。

「初回のレッスンで難しいよりも楽しさが勝っていた。どうしてこんなに楽しいことを今までしてこなかったのかと思いましたね。一緒にレッスンを受けていた年上の方たちからも『天才(笑)』と言われて、ちやほやされました」(Oguri)

そこからはご飯を食べている間も踊るほどダンスにのめり込んでいった。

今でこそ信じられないが、shojiは、大学入学後、練習するまで自転車に乗ることさえできなかったほど運動神経が悪かった。ただ、ダンスへの憧れから「始めるなら今しかない」と一大決心し、大学時代にダンスをはじめ、日夜練習に励み一気に才能が開花した。

4人ともに幼い頃から順調にプロのダンサーへの道を駆け上がってきたわけではなく、バックボーンだけで見ても各自の個性が表れている。


Oguri

ダンスはセンスか、努力か?

はじめた経緯もこれほど違うメンバーは、お互いの個性についてどう考えているのか。kazukiはNOPPOについて「日本中のダンサーからチームメイトに選ぶとしたら、絶対に必要な存在」と絶大なる信頼を寄せ、Oguriも「初めはNOPPOは背が高くて、かっこ良くてムカつくなと思っていたんです(笑)。でもよくよく動きを見ると、大きい体なのに細かい動きまでコントロールが行き届いていた」と驚愕したという。

またOguriはkazukiについて、「ダンスが上手いのはもちろんのこと、俺には絶対に思いつかない振り付けができる」と評し、shojiについては「曲の選び方、ショーの構成の仕方、振り付け、どれも斬新だった」という。
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文=本多カツヒロ 写真=小田駿一

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