ビジネス

2019.10.27

ボルボが「初のEV車両」で見せたサステナビリティへの意欲

ボルボCEOのホーカン・サムエルソン(Photo by Kevork Djansezian)


チャレンジしないことがリスクになる

「自動運転車やEVに対する消費者の姿勢に前回の調査から変化なかったことは驚きだ。これらのテクノロジーの普及が目前に迫っているにもかかわらず、消費者の考えは固定化している」とJ.D. Power の調査担当者は述べている。

XC40 Rechargeは、来年米国で販売される予定で、航続距離は250マイル(約402キロ)、価格は5万ドル(約542万円)になる見込みという。インフォテイメントシステムのOSには、グーグルのAndroidを採用している。

グーグルアシスタントやグーグルマップ、グーグルプレイが実装されており、音声で指示をすることができる。他にもドライバーアシスタント機能が組み込まれている。

グーグルのソフトを採用しているということは、将来的にアルファベット傘下の自動運転会社「ウェイモ」と自動運転技術で提携する可能性があるのだろうか? 「その可能性はある。ウェイモの技術は非常に優れており、我々が是非提携したい相手だ」とGreenは話す。

XC40のバッテリー容量は78kWhで、バッテリーセルはLG化学と中国のCATL(寧徳時代新能源科技股)が供給している。エンジンの出力は408馬力で、時速0〜60マイルの加速は5秒を切る。ボルボはXC40のEVとプラグインハイブリッドを対象に、ディーラーでの充電を1年間無料で提供するという。

欧州などではサステナビリティを推進する動きが加速しており、消費者も長期的にはガソリン車よりEVを好むようになるだろう。「オートマ車に慣れたらマニュアル車に戻れないように、一度EVの運転や充電に慣れてしまえば、ガソリン車に戻ることはないだろう」とサムエルソンは話す。

「当社の目標は、より魅力的な車を消費者に提供することだ。環境に優しいからといって、車が売れるとは限らない。しかし、新たなことにチャレンジせず、同じ技術を提供し続けることが最もリスクが高い」とサムエルソンは語った。

編集=上田裕資

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