大下さんは、東京学芸大学大学院准教授でスタディサプリ教育AI研究所所長をつとめる小宮山利恵子さんと出会い、彼女のアドバイスによって「旅と学び・地域教育」の重要性を確信しました。
東京というコンフォートゾーンを飛び出す
話を聞く高校生たち
「テクノロジーが進展する社会では、リアル(ファーストハンドの体験)の価値が更に高まる。地域にはその本質的な学びのかけらが沢山ある。そして、旅はこれから必要な21世紀型スキルを醸成する最高の機会」
「『トム・ソーヤーの冒険』を書いたマーク・トウェインはこう話している。旅することは、先入観や頑固な偏見、視野の狭さをぶち壊してくれる。人や物に対する広く、健全で、慈悲深い考え方は、地球の隅っこで一生ぼんやりと暮らしているだけでは得ることができないのだ」
小宮山さんのアドバイスから地域教育の重要性を確信した大下さんは、社内で体験型教育プロジェクトを提案。試行錯誤の末、2019年4月に遂に実現へとこぎつけました。
4月3日から5日までの3日間にわたって宮崎県新富町で実施されたプログラムには、東京から8名、宮崎から4名の高校生が参加。新富町の特産品であるお茶を題材として高校生たちが「未来をつくるアイデア」の創出に取り組みました。
結果、高校生の発案による”勉強がはかどるお茶「STUDY BLEND」というアイデアが生まれただけでなく、お茶園の協力で商品化も進められています。
手応えを得た大下さんは、8月20日から22日に2回目のプロジェクトを実施。11人の高校生が参加し、お茶と並ぶ新富町の特産品、鰻の未来を作るアイデア創出にトライしました。
ここからは、町の朝市で子どもたちが鰻のつかみどりをするなど、五感をフルに活用したアイデアが誕生。地元メディアの反響も大きく、11月には朝市で実現する運びとなっています。