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2019.10.27

米国で人気のトヨタ RAV4 よりマッチョになって日本にカムバック

トヨタ RAV4

1994年にデビューした初代トヨタRAV4は、すぐにコンパクト・クロスオーバーのベンチマークとなり、メイン市場のアメリカでは大ヒットとなった。小型SUVのセグメントに火をつけたと言っても過言ではないだろう。

昨年アメリカでは、40万台以上を販売。ということは、トヨタはこのRAV4だけで1兆円以上のセールスを記録したことになる。これだけでも、RAV4がトヨタにとってどれだけ重要かがわかる。

日本でも初代RAV4は大人気だったが、次第にボディが大型化した結果、国内市場に向かないモデルとしてフェードアウトした。しかし、ここ数年、日本でもSUV熱が高まったことを受けてカムバックを果たした。今年4月に発表された時は、月販目標の3000台に対して2万4000台の受注が入ったのだから、その人気ぶりがうかがえる。

だから、新型に失敗は許されない。では、そのデザイン、乗り心地はどうだろうか。

トヨタ曰く、今回はクロスオーバーというより、もっとSUVの味を出したいということで、見た目は旧型よりもマッチョかつスポーティになったグリル、角ばったフェンダーが特徴になっている。特にDピラーのラインの角度を含めたシルエットは、僕は結構気に入っているが、ノーズは少しエッジを効かせすぎているとも思う。

新RAV4は、カムリと同様のTNGAプラットフォームを採用しているが、旧型と比べて全長や全高は少し縮んでいるものの、ホイールベースや全幅は多少伸びている。そのプラットフォームのおかげて、RAV4はとても安定した走りを見せ、ロールを抑えてコーナリングもフラットに決めるが、セダンのカムリとは、当然ハンドリングの共通点はない。

インテリアも旧型に比較して、手に優しいレザーやマテリアルを採用することによって、高級感が漂う。最小限のスイッチ類が使いやすいし、触り心地もいい。

操作しやすい8インチのタッチディスプレーのオプションもあり、アップルのカープレイなどに対応。車内に5つのUSBポートがついているから、乗員全員が同時チャージができる。また、テールゲート内蔵のカメラの後方の映像が、高画質でルームミラーに映るフィーチャーはなかなか良い。



前席も後部席もレッグルームやヘッドルームがたっぷりあって、乗り降りしやすいのは、主なターゲットユーザーであるファミリー層には喜ばれるはず。ラゲージのスペースも、ライバルのホンダCR-Vとほとんど同様なので、文句なしだ。

もちろん、自動ブレーキ、レーンキープ、歩行者やサイクリストが感知できるトヨタ・セーフティ・センスの安全装備が全てついている。
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文=ピーター・ライオン

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