米ロボタクシー「ズークス」が200億円調達、車両開発を加速

ズークス(Zoox)CEOのAicha Evans(Photo by Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch)

完全自動運転のロボットタクシー向けの車両を開発する、シリコンバレー本拠の「ズークス(Zoox)」が2億ドル(約217億円)の資金を、Convertible Notes(新株予約権付転換社債)によって調達した。ズークスは昨年、共同創業者でCEOを務めたティム・ケントリークレイを会社から追放し、今年2月に新CEOに元インテルのAicha Evansを迎え入れていた。

今回の資金調達は、EvansのCEOの着任以降、初めての資金調達となった。

匿名の関係者によると、今回の転換社債による調達は、ズークスが2020年初旬までの完了を目指す、シリーズC資金調達の初期のステップだという。今回の出資には既存出資元に加え、新たな投資家も参加した。

カリフォルニア州サンマテオ郡のフォスターシティー本拠のズークスは、既存の自動車に自動運転技術を組み込むのではなく、完全なロボットカーを独自に開発するという野心的目標を掲げ、2014年に設立された。

同社は現在、テスト走行のエリアを、サンフランシスコのベイエリアからラスベガスに広げようとしている。「独自の自動運転技術の商用化を実現する上で、ラスベガスは非常に重要なエリアとなる」と、ズークスは述べている。

2018年7月にズークスは4億6500万ドルを調達したが、その一カ月後に突如、創業者のティム・ケントリークレイを追放していた。新CEOのEvansはインテルに12年間、勤務していた。

創業者のオーストラリア出身のケントリークレイが、アーティストでデザイナーだった一方で、Evansはテック業界に関する豊富な知見を持っている。

新たな資金がズークスの他に類を見ない自動運転領域のイノベーションを加速させることは間違いない。同社の車両のデザインは、前後の区別を持たないユニークなもので、ハンドルやアクセルペダルすら存在せず、ダッシュボードの計器も無い。

ズークスの4人乗りの車両には、前後の座席が向かい合うように設置され、乗客をA地点からB地点に運ぶことのみに特化した仕様となっている。

編集=上田裕資

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