テクノロジーの力を、大手のメーカーにも
その後、2018年4月にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の完全子会社となり、さらなる事業の成長に取り組んできた。
「CCCグループには6700万人の購買データベースがあり、Blaboには生活者インサイトがある。これらを掛け合わせることで、“商品を購入したタイミング”といった点ではなく、購買した後の消費者の行動など、点ではなく、線、面で消費者起点の商品開発が実現できるようになる。そのプラットフォーム開発に取り組んできました」(坂田)
子会社になってから1年半。仕組みも出来上がり始め、オペレーションも回るようになってきた。0→1、1→10のタイミングを終え、10→100を迎えるタイミングになったことで、坂田は「今後は仕組み化をより得意としている人たちに任せるべき」と考えるようになった。
それと同時に、Blaboの創業から8年ほどが過ぎ、テクノロジーの進展とともに事業環境も大きく変わっていた。
「これまで自分が提供してきたクライアントへのソリューションは、消費者のインサイトを発見し、そこを起点に商品をリデザインする、というものでした。数年前まではマスマーケティングで商品がヒットするということがありましたが、最近はソーシャルメディアやECの発達により、既存の商品開発を行い、店頭に並べるだけでは、事業の成立が難しくなっている。D2Cやサブスクリプションなどテクノロジーを活用することがますます重要になっていますが、大手メーカーはものづくりは強いが、テクノロジーへのキャッチアップは強くない。ものづくりのあとで、どうデジタルを利用するかと考えてしまいがちですが、デジタルが世界を飲み込んでいるという現実を理解して、ブランド開発、商品開発をしていかないと、事業自体の存続が危うくなっていきます。
そこで、マーケティング業界とスタートアップ業界の両方の業界でキャリアを積んで来た自分が、スタートアップのビジネスモデルやテクノロジーを、大手メーカーの事業開発に活かす支援をすることで、大手メーカーが抱える課題を解決できるのではないかと思ったんです。あとは、コンサルタントしてサポートするだけではなく、必要に応じて、出資して共同でブランドを作ったり、事業を立ち上げるなど、よりダイナミックな動き方をしていきます」(坂田)
そんな坂田の思いから、「Tune」が立ち上がった。これまで培ってきたノウハウをもとに、これから大手企業やスタートアップのビジネスモデルプロデュースをサポートしていく。