ファーウェイはまた、自動運転車向けの5Gレーダー技術の開発にも興味を示している。
ファーウェイ輪番会長の徐直軍(Xu Zhijun)は10月22日、北京で開催されたカンファレンスで、自動運転車両向けミリ波レーダーやレーザーレーダーの開発に5G通信技術を活用し、自動運転のエコシステムを築く方針を明らかにした。
ファーウェイは以前から、自動運転分野への参入に意欲を見せていた。今年6月に同社は、欧州と中国の自動運転メーカーとの協業で、AIを活用した自動運転車両を早ければ2021年にも、市場に投入すると宣言していた。英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、同社が協業する自動車メーカーはアウディや、広州汽車 (GAC)、Beijing New Energy Vehicle、長安汽車だという。
ファーウェイは今年4月には、自動車業界向けの5G通信ハードウェアを立ち上げていた。
2019年2月、同社は「自動運転車両向けのモバイルネットワークのソリューション」を立ち上げると宣言した。ファーウェイはMBB Automation Engine(MAE)や、ベースステーションのBTS5900で、自動運転車のオペレーターをあらゆるシナリオに対応させ、5Gネットワークの利点をフル活用可能にすると述べていた。
ファーウェイの自動運転に対する意欲は、その以前から示されていた。2018年2月にスペインで開催されたモバイル・ワールド・コングレス(MWC)の会場で、同社はダッシュボードにMate 10 Proを搭載したポルシェ「パナメーラ」を用い自動運転のデモを行った。車体の屋根に取り付けた大型のセンサーとMate 10 Proを連携させ、車の走行中にカメラが捉えた物体をNPU(ニューラルネットワーク・プロセッサ・ユニット)を用い、リアルタイムで認識させたのだ。
しかし、米国の自動車メーカーがファーウェイの技術を採用するかどうかは分からない。米国による禁輸措置やセキュリティの懸念がファーウェイの前途を阻んでいることは確かだ。しかし、5Gのライセンス提供に向けた動きから、同社が今も米国市場に強い関心を抱いていることが見えてきた。