世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

Creepy Nuts R-指定

近年、ビジネスシーンをはじめ、さまざまな場面で重視されているのがコミュニケーション能力だ。その中核をなすのは言葉だろう。その言葉を巧みに操るプロフェッショナルこそCreepy NutsのR-指定だ。

一躍、フリースタイルラップブームを巻き起こした人気番組「フリースタイルダンジョン」。同番組初代モンスター、二代目ラスボスにして、日本最高峰のMCバトル「UMB」で三連覇を達成するなどフリースタイルの最高傑作との呼び声の高いR-指定。
先日ロンドンで行われたDJの技を競う「DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIP FINALS 2019」バトル部門で世界一に輝いたDJ 松永。日本一のMCと世界一のDJが組むのがHIPHOPユニットCreepy Nutsだ。

彼らは、「オールナイトニッポン0」でレギュラー番組を持ち、数々の音楽フェスにも参戦。これまでヒップホップに縁のなかった深夜ラジオリスナーやロックファンたちの心をも掴んでいる。

その魅力は、個性的な二人のキャラクターと楽曲にある。ラジオでは、バトルとはうってかわり、笑いの絶えないトークが続く。楽曲では、松永のつくるトラックに、R-指定が吐き出す歌詞。かつて松永はラジオで、小説家の朝井リョウがR-指定の歌詞について、「取替不可能な言葉の連なりで歌詞ができている」と評していたと語っていた。小説家さえも唸らせる歌詞の完成度と即興でのバトル、両方を兼ね備えた言葉のプロフェッショナルがR-指定という男だ。

フリースタイルに呪われた男

即興で言葉を紡ぎ出すのが得意なR-指定なら、さぞ歌詞を書くのは早いだろうと思われがちだが、この「取替不可能な言葉の連なり」を歌詞にするには多大な時間を要するという。

取材当日、約束の時間になってもR-指定は現れない。R-指定の遅刻グセはファンの間では有名だ。夕方の公開イベントに遅刻した逸話を持つほどだ。15分ほど経ち姿を表すと、「ほんますみません」と何度も繰り返し席についた。

早速、バトルと歌詞を書くことの違いについてたずねると、それまでの表情から一変し次のように語った。「バトルは即興で言葉が出るか、メンタル的に飲み込まれないかなどさまざまな要素があるんです。でも、着地点がちゃんとある。それは最終的に『お前より俺のほうが優れている』をいかに面白く言えるかどうか。歌詞を書くときは、着地点が決まっていない段階で走り出すので難しい」

文=本多カツヒロ 写真=小田駿一

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい