このファンドはヒューズがユニバーサル・ベーシック・インカムを推進するために設立したシンクタンク「Economic Security Project」によって始動した。彼はベーシック・インカムの導入により、フェアな市場と適正な競争環境を実現しようとしている。
反独占ファンドの支援元には、フォード財団やジョージ・ソロスが設立したオープン・ソサエティ財団、イーベイ創業者のピエール・オミダイアのオミダイア・ネットワークなどの著名慈善団体が並んでいる。
ヒューズはワシントン・ポストの取材に、この財団の目的が巨大テック企業だけでなく、製薬や農業分野大手の独占を阻むものだと述べた。初期の出資は2021年5月までの期間に実施される。
「人類は巨大テック企業らが果たす、文化的、政治的役割を見直す時期に来ている」と、ヒューズは声明で述べた。「テック企業に限らず、一部の大手企業による市場の独占や、政治的パワーの行使に対し、意味のあるアクションを起こすべき時が来た」
ヒューズが反フェイスブックの急先鋒として浮上したのは、今年5月に彼がニューヨーク・タイムズ(NYT)に寄稿したエッセイで、フェイスブックの分割を提案して以来だ。ヒューズはその後、巨大テック企業の分割を主張する最も著名な起業家の一人になった。
米国の共和党と民主党の両党は、フェイスブックに厳しい目を注ぎ、分割案を検討中だ。これに対し、マーク・ザッカーバーグは真っ向から対立する姿勢を見せており、社内の会議で「仮にフェイスブックの分割を主張する民主党のエリザベス・ウォーレンが米国大統領選に勝利したら、ウォーレンと戦う用意がある」と述べていた。
ヒューズは支援先の名前を現時点では明らかにしていない。しかし、彼はワシントン・ポストの取材に対し、プライバシー擁護団体や、アマゾンの第2本社のニューヨークへの設置に反対したグループらの名前を挙げていた。