シリコンバレーには、ハリウッドセレブと関係が深いファンドが多い。しかし、アンドリーセン・ホロウィッツが立ち上げたCultural Leadership Fundがユニークなのは、利益を全額NPO(非営利団体)に寄付していることだ。
テレビプロデューサーのションダ・ライムズやプロバスケットボール選手のケビン・デュラント、音楽プロデューサーのクインシー・ジョーンズなど、黒人を代表するセレブたちがCultural Leadership Fundに総額1800万ドル(約19.6億円)を出資している。
出資者の1人である俳優のウィル・スミスは、このファンドが出資する「Hipcamp」(キャンプ場版エアビーアンドビー)に個人でも出資している。
「次世代の富はテクノロジー業界から生まれており、アフリカ系アメリカ人もそこに関与するべきだ。Culture Leadership Fundは、様々な業界で活躍するアフリカ系アメリカ人が世界で最も優れたスタートアップに出資することを実現している」とLyonsは話す。
これまでベンチャーキャピタル業界は白人男性が多数を占めてきたが、Culture Leadership Fundはテック業界への投資で得た利益を、多様な投資家に分配することを目指している。さらに、同ファンドはセレブから集めた資金を運用するだけでなく、テック業界の多様性向上に貢献するNPOにマネジメントフィーや成功報酬を全額寄付するという。