フォーブス ジャパン編集部 エディター

(左)金沢21世紀美術館学芸員の高橋洋介 (中央)金沢21世紀美術館の副館長・黒澤伸 (右)ON THE TRIPの成瀬勇輝

トラベルオーディオガイド「ON THE TRIP」創業者の成瀬勇輝が、お寺や神社、美術館などで第一線に活躍するキーパーソンを訪ねてそのビジネスモデルを探求するシリーズ。第五弾は、金沢21世紀美術館の副館長・黒澤伸とと、同館の5年ぶりのオーディオガイドの導入を企画したキュレーターの高橋洋介だ。

2004年10月に開館。今年で15周年を迎えた、石川・金沢21世紀美術館。同美術館では現在、開館15周年を記念した企画展「現在地:未来の地図を描くために」を開催している。

2000年から約4000件にのぼる作品を収集してきた金沢21世紀美術館。同展はそんな金沢21世紀美術館のコレクションを中心とした展示作品から、今ここを「現在地」とし、時代と共に歩んでいく作家たちの世界への眼差しを捉えて紹介するというもの。

2部構成の展示会となっており、第1部の「現在地[1]」は9月14日からスタートしている。「現在地[1]」はエリアス・シメ、ジュディ・ワトソン、ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ、ティファニー・チュンらの作品など、約50作家の70作品が展示されている。

多くの人が足を運び、大盛況の中、10月12日から第2部の「現在地[2]」がスタートした。「現在地[2]」は金沢21世紀美術館がコレクションする約60作家、140作品が公開される。「現在地:未来の地図を描くために」は過去に話題を集めた作品や、初めて公開される作品が多いことも注目だが、近年久しくオーディオガイドを導入していなかった金沢21世紀美術館が「現在地[2]」でオーディオガイドをスマートフォンにも対応できるものへ更新し再導入している。

このオーデォイガイドは学芸員が名前を出して、作品の魅力を伝える内容となっている。日本では学芸員の名前を出すことに賛否両論ある中、なぜ金沢21世紀美術館は学芸員の名前を前面に出す内容にしたのか。そして久しく導入していなかったオーディオガイドを、このタイミングで導入してみることにしたのか。

15年が経過し、このタイミングで現在地を見直す

成瀬:個人的にも「現在地:未来の地図を描くために」を拝見させていただいたのですが、あらゆる方向からいまを見つめようというこのテーマがとても面白いと思いまして。なぜ、このテーマの企画展をやることにしたのでしょうか?

黒澤:未来という言葉に対して過去がある。時間の流れの中に“現在”がある。自分たちが、それぞれどんな過去を辿ってきたのか、現在があり、そして未来がある中で、「我々は・今・どこ」にあるのか。その現在地を見直してみよう、という意味が込められています。

そもそも、“現代美術館”は「コンテンポラリー・アート・ミュージアム」とも言いますが、コンテンポラリーという言葉は常に同時代を意味しますし、もっと突き詰めて言えば現在を把握し、捉え、創り出していこうという意味や意思があります。結果的には、コンテンポラリー・アート・ミュージアムなのですからどんな展示会をやっても“現在地を知る”ことにはなるのかもしれませんが、それでも敢えて今回“現在地”という名前を使ったのには大きくは2つの理由があります。

文=新國翔大 写真=ON THE TRIP提供

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