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──過去にZOZOテクノロジーズ代表取締役CINOの金山裕樹さんに取材した際、ファッションテックに重要なのはAIだとおっしゃっていました。ファッションテックにおいて、AIはどのような意味を持つと予想しますか。

AIがファッションにもたらす影響は非常に多岐にわたりますが、キーワードは「パーソナライゼーション」です。ボディグラムのようなサイズ測定技術はもちろん、個人の体型や個性を判別してオススメのコーディネートを教えるレコメンデーションもその一環です。

バックエンドにまで話を広げれば、在庫をより効率的に管理する技術もパーソナライゼーションといえます。AIはファッションテックの様々な分野で使われるでしょうね。

──近年はD2Cブランド(ダイレクト・トゥ・カスタマー)が立ち上がっており、オンラインで服を買う機会が増えています。ボディグラムが普及すれば、恩恵を受ける人はさらに増えそうです。

はい。大手アパレルメーカーが自社でeコマースを始めるケースは増えていますし、小規模なブティックブランドや個人デザイナーがダイレクトにお客様とつながるために、百貨店やリアルストアよりもeコマースを優先する傾向にあります。

こうした各プレイヤーが抱えるサイズに対する全ての悩みを取り払うことが、ボディグラムの目標です。サイズの悩みがなくなれば、オンラインでアパレルを購入する割合はさらに大きく上昇はずです。



──アパレルにおけるeコマースの存在感は年々増しています。オフラインの店舗が担う役割は、どのように変化していくと思いますか?

まず、実店舗が完全になくなることはないと予想しています。大規模な都市圏ではフラグシップとしての実店舗が価値を持ちますし、購入を超えたよりリッチな体験をするスペースとして実店舗に注目が集まるようになるはず。そのためにも、オンラインとオフラインが統合された新しい体験の創出が期待されています。

現状のファッションテックはeコマースにフォーカスした技術ばかりが注目されていますが、これからはリアル店舗を含めた領域にこそチャンスが集まるのではないでしょうか。例えば、eコマースの巨人であるアマゾンは2017年に大手スーパーマーケット「ホールフーズ・マーケット」を買収アマゾンは2017年に大手スーパーマーケット「ホールフーズ・マーケット」を買収していますし、無人コンビニ「Amazon GO」もオープンしました。

オンラインで培ったテクノロジーを投入して実店舗に新たな顧客体験を生み出そうとする試みは、これからさらに増えるはず。将来的には、ボディグラムがそうした環境で使われる可能性も十分にあるでしょうね。

文=フォーブス ジャパン編集部 人物写真=小田駿一

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