2. 「これはやる価値がない」と判断すべき時を知る
ジョナサンはロサンゼルスのサロンで華々しいアシスタントの仕事を始めた。競争の激しい業界の新人がよくするように、人気スタイリスト2人のアシスタントとして長時間かつ低賃金で働き、できる限り全ての教育コースに通った。
休みなく働く間に「スタイリストになるために必要なゴール地点が常に変わり続けた」という。ほぼ2年間にわたりその仕事を続けた後、ジョナサンは自分で獲得しなければいけない顧客からの売り上げのうち、自分の手元に残るのは20%のみであることに気付いていった。例えば、200ドルのヘアカット代に対し、自分の取り分はたった40ドルとチップのみだ。ジョナサンはサロンで費やす時間、給与、有害な環境は自分向きではなく、別の仕事を探すべきであることを悟った。
「あそこで学んだことや、いろんなレベルでの優秀な仕事ぶりに触れられたことに対しては感謝している。でも、自分がどんな上司になりたいかという知識はもう得ていた。それにもっと大切なこととして、『これはやる価値がない』と言うことの重要さも学んでいた」
3. 自分を愛し、許すことを学ぶ
本の発売に先立ちジョナサンは、HIV陽性であることをメディアに公表。同著では、HIV陽性の診断を受けた時の状況や、当時抱えていたさまざまな葛藤についてつづっている。うつ、不安、依存症と向き合ってきた人生の中でも、この診断はジョナサンをどん底に突き落とした。ジョナサンは自分の人生と自己認識を立て直すため、ロサンゼルスに戻った。
「それまで歩んできた自分の人生を愛し、受け入れ、そこに至るまでに自分がした全ての決意を許せるようになるまでに、大変な努力が必要だった。一夜のうちにできることではなく、毎日する必要があった」
「人生というのは、自分を愛し、許すことを何度も何度も学ぶ日々のエクササイズのようなもの」
4. 自分をどう扱うかに自分の価値を置く
ジョナサンは本の終盤で、自分が比較的最近手にした名声について触れている。ジョナサンは写真撮影を頼んでくる人々に伝えたいこととして、自分にもあなたと同じくらい迷いがあるけれど、それでも感謝の気持ちを持っていると記している。自分は「完全に不完全なハチャメチャ人間」だが、今では以前とは違う基準で自分を見つめているという。「自分が他人からどうあしらわれようと、自分が自らをどう扱うかに自分の価値を置くことが、成功のカギとなってきた。皆にもそうしてほしい」