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2019.10.19 10:00

アリババ創業者、ジャック・マーがアフリカに期待する理由

ジャック・マー/Getty Images

アリババ創業者のジャック・マーは中国の数百人の経営者らが今後、独自の慈善団体を立ち上げることを望んでいるが、中国はまだこの分野のスタート地点に立ったに過ぎないと述べた。

「世界の多くの国々が、慈善活動分野で長年の歴史を築いてきた。しかし、中国ではまだ初期段階にある」とマーは、10月15日にシンガポールで開幕した「フォーブス・グローバルCEOカンファレンス」の会場で、フォーブス会長で編集長のスティーヴ・フォーブスに話した。

マーがこの発言を行ったのは、彼がフォーブスの元発行人のマルコム・フォーブス(1990年没)の偉業を讃えるアワードを授与された直後のことだった。この賞は、起業家精神を具現化し、グローバルな成功を収めた人物を讃えるものだ。

マーはここ数年、様々な慈善団体に関する調査を進め、2014年に設立した彼の慈善団体の中国での整備を進めてきた。彼は今年9月にアリババの会長職を退いたが、今もアリババ・パートナーシップの生涯メンバーとして同社の経営に対する影響力を維持している。

マーがリタイア後の準備を開始したのは、今から10年近く前の事だったという。彼は当時からロックフェラー財団やビル&メリンダ・ゲイツ財団の動向を注視していた。マーはゲイツやウォーレン・バフェットが中国を訪問した際に、中国の慈善活動の在り方について議論したという。彼はそれ以来、2人と気候変動やアフリカの医療問題について、話し合ってきた。

元英語教師のマーは、アフリカに強い関心を抱いている。彼は来月、アフリカを訪問し、起業家にアリババの起業家アワードを授与し、現地の若者を勇気づける予定だ。マーは今後のアフリカの発展には3つのEが必要だと述べている。その1つはEガバメントによる透明性の確保で、起業精神を鼓舞するEntrepreneurs(アントレプレナー)の存在も必須となると述べている。さらにデジタルEducation(教育)による、知見の向上も求められると話した。

マーは昨年、アフリカで起業家コンテストを開催した。彼が設立したAfrica Netpreneur Prize Initiativeは、毎年100万ドルをアフリカ諸国の起業家たちに授与していく。

「アフリカの起業家たちは他の諸国とは大きく異なる目標を描いている。他の地域の起業家らは会社を立ち上げ、IPOを果たすことをゴールとしている。しかし、アフリカの起業家の多くは、アフリカの社会を変革し、人々の暮らしを変えることを目標としている」と、マーは述べた。

編集=上田裕資

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