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2019.10.17 06:30

20歳で「遊び」から「ビジネス」へ。Hostyが福岡から描く、新しい宿泊のカタチ

Hosty代表取締役の山口博生

Hosty代表取締役の山口博生

「正直なところ、mizukaのモデルは真似しやすいので、これまでPRはあえてしていませんでした」(山口)

こう語るのは、Hostyの代表取締役である山口博生氏だ。今回3億円の資金調達により、Hostyがこれまで調達した資金は総額で8億円を超える。モデルのトレースを恐れ、PRはおろか、5億円を超えるまでは資金調達ニュースさえ出していなかった。

Hostyはインバウンド向けの無人コンパクトホテル「mizuka」を手掛けている。無人コンパクトホテルとは、民泊やホテルとは違う新しい形の宿泊施設であり、アクセスのよい立地の個室に、気軽に低価格で宿泊できることが特徴だ。

2017年9月、mizuka1号店が福岡にてオープン。その当時は本社がある東京との2拠点で活動していた。mizukaは立ち上げから初動が良く、12月には拠点を福岡に移して広く展開していった。


2017年12月にオープンした「mizuka Imaizumi 1」

山口氏にとって福岡は縁のない土地。にも関わらず、mizukaを福岡で展開した背景には、法規制の壁があったという。

「当時、無人ホテルの営業を許可していた市区町村は、大阪と福岡、沖縄の3都市のみ。沖縄はマーケットが狭いため、除外。次に大阪を考えたとき、まだ小さなHostyで営業するには、都市サイズが大きすぎました。福岡を考えてみると、主要観光地は博多と天神、中洲のみですべて2.5km圏内にあり、観光のマーケットも大きい。やるなら福岡しかないと思いました」(山口)

物件が増えるまではエンドレスで赤字。スタートアップだからできたmizuka

ビルのワンフロアを賃貸で借り、リノベーションしてのホテル運用は資産効率が悪い。土地の購入し、0からホテルを建設して経営する方が大手としては確実に儲かる。つまり、mizukaの事業構想はホテル業界からすると、かなり新しい発想であった。

「mizukaのモデルで黒字化するためには、物件数を増やす必要があります。むしろ、物件数がある程度増えるまではエンドレスで赤字。なので、スタートアップに適したモデルですよね」(山口)



mizukaはワンフロアあたりの工事期間が短く、ライトに行えるため、同時多発的な工事も可能。現在は福岡だけでも、6物件ほど同時に工事しているそうだ。通常2〜3年のところ、Hostyは2カ月でホテル作るという。独自の宿泊ビジネスを展開し続けるHosty。その代表取締役である山口博生氏に起業までのストーリーを伺った。
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文=大木一真 写真=小田駿一

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