ミラノの名門カフェが銀座に。COVAであなたはどう過ごす?

Café Cova Milano GINZA SIX

クリスマスを意識し始める晩秋になると、イタリア人はソワソワ……パネトーネの季節だ。パネトーネとは、バターをたっぷり使った生地にドライフルーツ(だいたいレーズン)を混ぜ込んでふんわりと焼き上げたイタリアの伝統菓子。ドイツでいえばシュトーレンのように、クリスマスシーズンに食べるお菓子として知られている。



このパネトーネ、イタリアでは全国的に食べられているものの、発祥はミラノだとか。なかでも「うちのパネトーネは世界一おいしいの」と言うのはパオラ・ファッチョ―リさん。ミラノで200年の歴史を持つ高級カフェ・菓子店「COVA」のCEOを務め、世界を飛び回るパワフルな女性だ。



「COVAのパネトーネはヒミツの酵母で発酵させて、長く休ませてから焼き上げるのが特徴。フワフワと軽くて、毎日食べたくなるおいしさよ」

実際、ミラノのCOVAでは毎朝のようにカウンターに現れ、パネトーネひと切れとエスプレッソをクイッと(この、クイッがポイントだ。イタリア人はエスプレッソをチビチビ飲んだりはしない)飲み干してからオフィスへ出かけるビジネスマンたちを多く見かける。ついでに言えば、イタリア人はカプチーノを飲むのは午前中だけ。午後、それも夜になってから飲むのは野暮だと思われてしまうから、オーダーするなら覚悟のうえでどうぞ。



話を戻して、COVAはミラノのおしゃれ目抜き通り、モンテナポレオーネ8番地に位置し、多くの人を魅了してきた。たとえば作曲家ヴェルディやマリア・カラス、そしてユーゴスラビアの人民解放をめざしたパルチザンたち……芸術家や活動家が議論し、社交する一種のサロンのような場所でもあっただろう。

そのCOVAが今度は東京・銀座のおしゃれスポットGINZA SIXにオープンした。ミラノの本店同様にビロードのソファ、クリスタルのシャンデリア、ゴールドと大理石を随所に配し、メニューにはもちろんあのパネトーネ(COVAではパネットーネと表記する)も。

「ミラノの旗艦店にはスタンディングのカウンターがあり、そこではビジネスマンたちが朝コーヒーを、そして夕方にはアぺリティ―ボ(食前酒)を楽しむんです。その伝統を日本の方にも楽しんでいただきたく、銀座店にもカウンターを設えました。COVAは単純にお客さまに飲食を提供する場所ではなく、イタリアのカルチャーを知っていただく場所になれたらいいなと」



銀座の、それもGINZA SIXのようなスタイリッシュで優雅な時間を持つのは有閑マダムの既得権益のようにも思えるが、COVAはForbes JAPAN読者諸兄のようなビジネスパーソンにも大きく門戸を開いている。カフェのみならず、シャンパーニュ(イタリアの奇跡、フランチャコルタもある)やカクテルなどアルコール類も豊富だ。この優雅なひと時を銀座マダムに独占させておくのはもったいない話だろう。

Café Cova Milano GINZA SIX
東京都中央区銀座6-10-1 3F 
03-3289-3755

連載:いまおいしい、いま知りたい食のトレンド最前線
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文・写真=秋山都

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