チック・コリア独占インタビュー ジャズ界の巨匠、創造の源を語る

Leopolis Jazz Fest 2019で演奏するチック・コリアとザ・スパニッシュ・ハート・バンド(ウクライナ・リヴィウ、2019年6月)(Ruslan Lytvyn / Shutterstock.com)

著名キーボード奏者で作曲家、バンドリーダーで、22のグラミー賞を受賞しているジャズ界の巨匠、チック・コリア(78)は現在、アルバム「トリロジー」で共演したベーシストのクリスチャン・マクブライド、ドラマーのブライアン・ブレイドと共に米国ツアーを実施中だ。

私はツアーに先立ちコリアを取材し、本ツアーや、コリアが得ているさまざまな創造的インスピレーション、2019年のジャズについて話を聞いた。

──これまで長年ツアーをしてこられました。ツアーは毎回異なるものでしょうか? 今回のツアーはどのような感触ですか?

感触は誰と一緒に演奏するかによっていつも変わる。何であれ、クリスチャン、ブライアン、そして私が作り出すものになる。今回はレパートリーを少し変えて、新たなことを試してみる予定。私がベーラ・バルトークのファンであることを知っていたブダペストのある団体から、バルトークを記念するトリオ作品の作曲を委託されていて、その一部を今回のツアーで披露する。私たちはもっぱら、楽しいコンサートにして、聴衆に良い気分になってほしいと思っている。

──78歳の今、どのようにして学びと成長を続けていますか?

私の場合、学びを続けなければ死んだも同然だ。常に新たなことを学び、能力を高めることは、人生で最も大切なこと。私は自分自身を評価しない。それは批評家や、あなたのようなライターが決めることだが、私は10年前、15年前よりも良いピアニストになっていると感じる。

オーケストラ用作編曲は上達していて、トランペットやリズムセクションなど、慣れ親しんだ楽器以外も使いこなせるようになった。例えば、今はニューヨーク・フィルハーモニックからトロンボーン協奏曲の作曲を委託されているので、そのための管弦楽法を学んでいる。

──この段階まで到達した音楽家として、自身の最大の課題は何ですか?

私は長年、自分の音楽をよりスムーズに人々に届けられるよう、私の先鋭的な部分を取り除き、楽しくするよう取り組んできた。聴衆を楽しませ、観客にぴったり合ったものを提供する必要がある。それだけだ。課題はいつも、私自身だ。書いたり演奏したりして楽しいだけでなく、人々とつながるものを作り出すこと。それがいつも課題だ。だが私がこの課題を克服する方法は、毎晩公演をすることだ。とはいえツアーは身体的にこたえる。これは誰にとっても課題だが、私はそれをただ無視しようとしている。
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編集=遠藤宗生

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