NY在住の製作者が見る「エンタメ・アート・カルチャー」

Breathe with Me in Central Park, an art project by Jeppe Hein and ART 2030. (c)Jeppe Hein, Photos by Jan Strempel. Courtesy of the artist and ART 2030.

若干16歳のスウェーデン人環境活動家、グレタ・トゥーンベリのスピーチが世界中でシェアされた9月、史上最大の気候マーチが世界各都市で行われた。彼女が始めた「フューチャー・フォー・フライデー」という金曜日に学校を休んで環境問題を訴えるマーチに、世界中の子供たちが参加したのだ。

9月20日、ニューヨークでのマーチの終盤のステージでは、イギリスからヨットでやって来たトゥーンベリ本人がスピーチ。また、ウィル・スミスの息子であり、歌手兼環境活動家のジェイデン・スミスのパフォーマンスも行わるなど大盛況だった。


子供達が「What do we want?(何を求めている?)」と掛け声をかけ、「Climate Justice!(気候への正しい措置を)」と返しながら練り歩く様子。 (c)Ikumi

今、彼ら子供たちが先導する気候マーチをはじめ、様々な業界で環境問題に対する活動が盛んになってきている。それは、アート界も同様だ。

その中でも一際目立っていたのは、 国連本部やセントラル・パークで大規模に展開されたアート作品『Breathe with Me』だ。参加型のこの作品は、第74回国連総会そして今回初となる国連ユース気候サミットの期間中、気候行動を市民に呼びかける国連のActNowキャンペーンの一環として展示されていた。


Breathe with Me in Central Park, an art project by Jeppe Hein and ART 2030. (c) Jeppe Hein, Photos by Jan Strempel. Courtesy of the artist and ART 2030.

この展示を実施しているのは、非営利アート団体『ART 2030』の創設者兼ディレクター、ルイス・ファウスコー。ギャラリーを経営し、美術財団を立ち上げるなど30年以上アート界で活躍してきた彼女は、2015年に発表された国連のSDGs(持続可能な開発目標)に触発され、翌年同団体を設立したという。

『ART 2030』は、国連の持続可能な開発のための2030アジェンダとその17のゴール(SDGs)をアートと繋げ、世界が抱える問題や解決方法を提起するプロジェクトを創っている。なぜアートなのか──アートには、複雑な問題をわかりやすくし、人々の心に訴えかける力があるからだ。

これまでにマクロン仏大統領などと接点もあるファウスコーだが、「このActNowキャンペーンでは、若者たちから一番大きなインパクトを受けました」と言う。

「ゴールを決めるたびに木を植えているアフリカの若いサッカー選手、環境問題に対する団体を自ら立ち上げているティーンエイジャーなど、彼らの環境問題に対する緊急性を訴える姿、さらに実際に行動をおこしている姿に刺激を受けています。そして、同じように訴求性があり普遍的な力を持つアートで、私たちは行動をおこしています」

文=Ikumi

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