広告は終わったのか? 広告がいま問いかけるものとは

(写真)会場の模様

(写真)会場の模様

「広告の終焉」が叫ばれて久しい。しかし、今年も南仏カンヌで6月17日~21日まで開催された世界最大級の広告祭「カンヌライオンズ」の受賞作品を目にすれば、そんな言葉を疑うはずだ。
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同広告祭をテーマに9月19日、Forbes JAPANで開かれた「企業と消費者の最先端コミュニケーション~世界の事例から~」では、もり代表/クリエイティブディレクターの原野守弘、博報堂グローバル・インタラクティブ・ディレクターの林智彦、Dentsu Lab Tokyoの和田夏実の3人が存分に語り合った。

会場では、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社の協力により、カンヌ映画祭で一部のエグゼクティブのみに振る舞われるムートン・カデのロゼワインが30本用意され、大いに賑わった。同広告祭受賞作品の3人の解説をダイジェストでお届けする。

カンヌライオンズの常連、バーガーキング
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カンヌライオンズ受賞作品紹介で89カ国3万点以上の作品の中から、原野が紹介したのは、チタニウム部門、モバイル部門、ダイレクト部門でのグランプリを受賞したアメリカの大手ハンバーガーチェーン「バーガーキング」の広告キャンペーン。アメリカではマクドナルドの後塵を拝する同社は、マクドナルドを茶化す広告でカンヌライオンズでは常連だ。

今回のキャンペーンでは、同社のアプリをダウンロードし、近所のマクドナルドの敷地内に入ると、同社の看板メニュー「Whopper」を1セントで購入できるクーポンが付与される。その付近のバーガーキングへ1時間以内に足を運ぶとクーポンを使用できるというキャンペーン。



「実用的でもあり、シャレでもある。シャレが効いているからこそ、みんなに愛されるし、マクドナルドも言い返すことができない。しかも9日間のキャンペーンで結果を出している」と原野が解説した。

実際に開始2日間でApp Storeの順位は686位から1位へ、キャンペーン期間の9日間で150万ダウンロードまで伸びた。アプリでの売上もキャンペーン期間中は通常の3倍にまで増えた。
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文=本多カツヒロ 写真=曽川拓哉

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